ニュースのことば 5月まとめ

20160915_04

O157
食中毒の原因となる「腸管出血性大腸菌」の代表例。強い毒素を出し、下痢や血便などをともなう激しい腹痛を引き起こします。感染力が強く、ひどい場合は死にいたります。食品の十分な加熱や早めに食べきることなどが予防につながります。
京都府長岡京市は7日、O157に感染し、入院していた5歳の女の子が亡くなったと発表しました。感染した経路はまだわかっていません。女の子が通っていた保育所ではほかに4、5歳の4人の感染が確認されています。
イラン核合意
イランが核開発を制限するかわりに、他の国が経済の制裁をゆるめる合意。2015年にアメリカ(米国)などの6か国、ヨーロッパ連合(EU)がイランと結びました。
イランのロハニ大統領は8日、去年5月に米国が核合意からぬけたことへの対抗策として、核合意の一部を即時停止すると宣言。場合によっては本格的な核開発を再開するとも表明しました。
飛翔体
空高く飛ぶ、人工的に作られた物を広くさす言葉で、ロケットもミサイルもふくまれます。軍事訓練で放たれた人工物が、世界の安全をおびやかす「弾道ミサイル」かどうか判断が難しい場合などに使われます。
韓国軍は9日、北朝鮮が朝鮮半島西部の平安北道から、短距離ミサイルとみられる飛翔体2発を東側に向けて発射したと発表しました。アメリカ国防総省は9日、この飛翔体は弾道ミサイルだったと断定。日本政府も10日に、短距離弾道ミサイルと認定しました。北朝鮮は4日にも飛翔体数発を発射しています。
バーゼル条約
有害物質をふくむごみの輸出入を規制する条約。先進国からのごみが途上国で環境汚染を引き起こしたことから、1992年に発効しました。日本をふくむ180以上の国・機関が参加しています。アメリカは不参加です。
スイスで開かれたバーゼル条約の締約国会議で10日、リサイクル資源としてあつかわれる、よごれたプラスチックごみの輸出入も規制対象とすることが決まりました。2021年1月に発効します。世界規模でプラスチックごみの輸出入を規制する制度は初めてです。
景気
社会全体のお金の動きをさします。景気が良い時はものが多く売れ、会社がもうかり働く人の給料が増えます。景気が悪い時は、お金の動きがにぶくなります。良くなる時期と悪くなる時期をくり返します。
内閣府は13日、経済活動のようすから景気の良しあしを総合的に計算した景気動向指数の3月分の結果をまとめました。指数から出す景気の判断はこれまでの「下方への局面変化」から、もっとも厳しい「悪化」に引き下げました。悪化の判断は6年2か月ぶりです。
政令指定都市
人口50万人以上で、規模や政治を行う能力が高いとして、内閣が政令で特別に指定します。「区」が置けるなど、ふつうの都市にない権限が認められます。現在、全国に20あります。
神奈川県川崎市は15日、5月1日現在の市の人口が152万6630人となり、兵庫県神戸市(152万4749人)を上回って政令指定都市の中で6位になったと発表しました。4月1日現在の1位は神奈川県横浜市、2位は大阪市、3位は愛知県名古屋市、4位は北海道札幌市、5位は福岡市です。
アスベスト(石綿)
鉱石からとれる、目に見えないほど細い繊維。建築材などに使われましたが、人が吸いこむと長い時間をへて肺がんなどの病気を引き起こすおそれがあるため、今は製造や使用が禁止されています。
長野県飯田市の私立保育園の改修工事を行うときに、石綿が飛び散る可能性があったにもかかわらず、法律で定められた手続きをしていなかったことがわかりました。作業の日は、園児や職員が登園していました。
即(そく)位(い)礼(れい)正(せい)殿(でん)の儀(ぎ)
新天皇が即位したことを、国内外に知らせるための儀式で、今年10月22日に行われます。この儀式の後には、国民に即位を披露するパレード「祝賀御列の儀」が行われます。どちらも日本国憲法で天皇が行うものと定められた「国事行為」の一つとされ、国の予算が使われます。
祝賀御列の儀のコースが21日、決まりました。皇居の宮殿を出発して、国会議事堂の正門前などを通り、赤坂御所までの4.6キロを、オープンカーで約30分かけて進みます。この日は今年に限って祝日となります。
あおり運転
前を走る車に極端に近づいたり、不必要なところで急ブレーキをかけたり、ほかの車にも危険がおよぶような運転のことで、社会問題となっています。
道路交通法違反の「車間距離保持義務違反」で全国の警察が去年1年間に摘発した交通違反が1万3025件に上り、前の年の1.8倍になったことが警察庁のまとめでわかりました。警察庁は去年1月、あおり運転の摘発を強めるよう、全国の警察に指示していました。
放送法
テレビやラジオ放送について定めた法律。放送が社会に役立つようにする目的があります。
NHKのテレビ番組(地上波の総合とEテレ)が放送と同時にインターネットでも見られるようになる改正放送法が5月29日、成立しました。放送法にもとづき、公共放送として番組を全国に届けることなどが規定されているNHKは、ネット同時配信が制限されていました。受信料を払っている世帯の人は、来年3月にもスマートフォンやパソコンでNHKのテレビが見られるようになります。
ゲーム障害
ゲームのやり過ぎで日常生活に悪影響が出るゲーム依存症のこと。国際的に治療が必要な心の病気として5月25日、世界保健機関(WHO)総会の委員会で認められました。予防対策や治療法の開発などが進むとみられます。
ゲームをする時間や回数などを決められない▽日々の活動などよりゲームを優先▽日常生活に支障をきたしてもゲームを続ける、こうした状態が12か月(重症ならより短期間)続くとゲーム障害と診断するとしています。
国民審査
最高裁判所の裁判官がふさわしいかどうかを国民が投票で決める制度で、憲法に定められています。やめさせたいという×印が有効投票の半数をこえるとやめさせられますが、これまでにやめさせられた人はいません。
国外に住む日本人に国民審査の投票が認められていないのは憲法違反だとして、海外に住む5人が賠償などを国に求めた訴訟の判決が5月28日、東京地方裁判所でありました。判決は、国外でも審査できる制度を設けなかったのは、憲法違反としました。

 

「令和」が幕開け

新しい元号「令和」の時代が幕を開けました。248番目の元号で、「令」の文字が使われるのは初めて、「和」の文字は20回目です。

令和は万葉集の文字がもとになっています。九州にあった大宰府という役所の長官だった大伴旅人がうたげを開いたときに「梅花の歌三十二首」がよまれました。そのときの情景などを説明する「序文」から令和はとられました。

入試にむけておさえておきたいのが「万葉集」。日本に現存する最古の歌集で、8世紀の終わりごろまでに編さんされました。天皇だけでなく、まずしい農民や九州の警護にあたった無名の「防人」ら、さまざまな階層の人たちがよんだ歌が4500首ほど収められています。

名称に元号が用いられている歴史上の出来事などもチェックします。日本で最初の元号とされる「大化」なら、中大兄皇子と中臣鎌足らが天皇中心の中央集権国家の実現をめざし、蘇我氏をたおしたこと(645年)にはじまる一連の政治改革「大化の改新」といった具合です。「大宝」なら、唐(中国)の制度を参考にして法によって国を治めるための「大宝律令」(701年)、「承久」なら、鎌倉幕府で権力をにぎっていた執権の北条義時に対して、後鳥羽上皇が兵を挙げたものの敗れた「承久の乱」(1221年)――。ほかにもたくさんあります。

いまの日本国憲法における天皇の規定も確認。第1条では「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と規定し、その地位は主権をもつ「国民の総意に基づく」と定められています。こうした考えを「象徴天皇」といい、天皇は国の政治にかかわる権限をもっていません(第4条)。天皇の国事行為については第3条で「すべての国事行為には内閣の助言と承認が必要で、内閣がその責任を負う」と規定されています。

【朝日小学生新聞2019年5月13日~2018年6月3日掲載】