ニュースのことば 1月まとめ

20160915_04

野生絶滅
絶滅のおそれのある野生生物の一覧「レッドリスト」などで、絶滅の危険性の高さによって分類した項目の一つ。人間に飼育される環境の中でのみ生息していて、死に絶えたと考えられる「絶滅」の次に高い危険度です。
環境省は、野生絶滅に指定されているトキ=写真=について、「絶滅危惧種」に見直すよう専門家の検討会に提案することを決めました。野生復帰事業が順調に進みました。
5G
第5世代移動通信システムのことで、「5th generation(5番目の世代)」の略です。携帯電話やパソコンなどで利用している情報の通信速度をさらに高速にしたり、送れるデータの容量をより大きくしたりします。日本では今年から実用化が始まります。
家電や情報通信技術の世界最大級の見本市「CES」が7日、アメリカ・ラスベガスで始まりました。5Gを使った自動車の運転支援や、遠く離れた医師と患者を結ぶ遠隔医療など新たなサービスが注目を集めました。
整備新幹線
全国新幹線鉄道整備法に基づき、政府が1973年に計画した新幹線です。北海道(新青森―札幌)、東北(盛岡―新青森)、北陸(東京―金沢―新大阪)、九州・西九州ルート(博多―長崎)、九州・鹿児島ルート(博多―鹿児島中央)の5路線。
整備新幹線区間の中では、最高速度は一律で時速260キロとされています。JR東日本は航空機との競争力を高めるため、騒音対策を施して東北新幹線の区間で320キロ運転を実現する方針を固めました。
横綱
相撲の力士の最高位です。日本相撲協会が横綱をつくるときは横綱審議委員会(横審)に意見を聞きます。横審が推薦するのは「品格、力量が抜群で、大関で2場所連続優勝か、それに準ずる成績を挙げた力士」。横綱になると成績が悪くても地位が下がることはありません。一方、休場の多い場合や非常に不成績などの場合は横審が激励、注意、引退勧告を出します。
横審は去年11月、稀勢の里に対し、激励を決議していました。
減反
国内で作るコメの価格が下がらないようにするため、国がコメの生産量を管理すること。毎年の生産数量の目標を決め、都道府県などを通じて各農家に配分、協力した農家には補助金が出ます。2017年で終了しました。
減反が廃止されて2年目になる今年のコメの生産について、14道府県が去年の作付面積より少ない「目安」を設けたことが、朝日新聞の17日までのまとめでわかりました。コメの需要が落ちこむと予想されることから、価格維持のために生産量を減らそうとしているとみられます。
ダボス会議
民間の団体である世界経済フォーラム(本部・スイス)が、毎年1月にスイスのダボスで開く年次総会です。世界の企業経営者や政治家、学者、市民活動家などが集まり、経済をはじめとしたさまざまな問題について話し合います。
今年は22日から25日まで開かれました。安倍晋三首相が出席するほか、ダボス会議の機会に合わせて23日、河野太郎外務大臣が韓国の康京和外務大臣と会談しました。
ファクトチェック
文書や発言の中で「事実」として述べられていることが、本当かどうか確認すること。
アメリカの新聞ワシントン・ポストは、トランプ大統領の就任以来、発言のファクトチェックをしています。21日、トランプ大統領が就任してからの2年間で、うその発言や誤解を招く発言が計8158回あったと伝えました。2年目になってからペースが上がり、1日平均16.5回、うそやまちがいを言っているといいます。1年目は1日平均5.9回でした。一番多かったのは移民問題についての1433回でした。
基幹統計
国の公式の統計のうち、特に公共性が高く重要な56の統計で、政府が政策を立てるときのもとになります。最も代表的なのは、全ての人や世帯について調べる「国勢調査」です。厚生労働省が調査で不正を行っていた毎月勤労統計もふくまれます。
今回の調査の不正問題を受けて、基幹統計が正しく調査されているかを政府が調べたところ、4割にあたる22の統計に計31件の問題があることがわかりました。総務省が24日発表しました。金額を「百万円単位」で書くところを「万円単位」にして、全体の値が大きくなっているなどのあやまりがありました。
法隆寺
奈良県斑鳩町にある世界最古の木造建築の寺。飛鳥時代の607年に聖徳太子が建てたと伝えられます。日本で初めて国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されました。1949年に金堂が炎上し、文化財保護法が制定されるきっかけとなりました。
火災で焼け、鮮やかな色を失った金堂の壁画が一般公開される方針が固まりました。これまでは原則非公開でした。飛鳥時代にえがかれた、現存する国内最古の仏教絵画で、国の重要文化財です。
特別養子縁組
経済的な事情や虐待などを理由に、生みの親の元で暮らせない子どもと、血のつながりがない夫婦が法的な親子になる制度。生みの親との法的な関係が消え、戸籍上も育ての夫婦の実の子どもと同じあつかいです。
特別養子縁組について、対象となる子の年齢を「原則6歳未満」から「原則15歳未満」に引き上げる案を法制審議会(法務大臣の求めに応じて意見を上げる機関)の部会がまとめました。養子対象が広がる一方、年齢引き上げで親子関係を築くのが難しくなるなど課題も残ります。

 

新元号、4月1日に公表

皇太子さまが新しい天皇に即位することにともない、新しい元号になることについて安倍晋三首相は新元号を4月1日に閣議決定し、公表する考えを明らかにしました。事前に公表することに対して反対する声があったことなどから、より遅い時期の公表も検討されていましたが、国民生活への影響をおさえることを優先させました。

天皇陛下は2016年、生きているあいだに天皇の位を皇太子さまにゆずる「生前退位」をしたいという気持ちをにじませるおことばを表明。2017年には退位を実現する「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」(退位特例法)が公布されました。

こうした動きに関連して、憲法における天皇の規定をおさえます。明治時代の1889年に発布された大日本帝国憲法は、天皇が定める「欽定憲法」という性格でした。天皇は国の元首であり、天皇主権の原理が示されていました。国民の権利や自由などは、天皇があたえる「臣民の権利」という位置づけで、法律の範囲内で認められました。

太平洋戦争(第2次世界大戦)後の1946年11月3日に公布、47年5月3日に施行されたのが日本国憲法。大日本帝国憲法とは異なり、国民が定める「民定憲法」です。第1条では「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と規定し、その地位は主権をもつ「国民の総意に基づく」と定められています。こうした考えを「象徴天皇」といい、天皇は国の政治にかかわる権限をもっていません(第4条)。天皇の国事行為については第3条で「すべての国事行為には内閣の助言と承認が必要で、内閣がその責任を負う」と定められています。

今春の入試では愛媛・愛光中が天皇の国事行為にかんする説明に空欄を設けて「内閣」を、千葉・昭和学院秀英中が第1条の条文に空欄を設けて「象徴」をそれぞれ記述させました。

【朝日小学生新聞2019年1月14日~2019年2月4日掲載】