ニュースのことば10月まとめ

20160915_04

辺野古
沖縄本島北部の名護市の東海岸にある地域。貴重な生物と自然環境が残ります。宜野湾市の米軍普天間飛行場を辺野古沿岸部をうめ立てて移す計画があります。
移設をめぐっては、2013年に沖縄県がうめ立てを承認。その後、翁長雄志前知事が承認を取り消しましたが、裁判で国に敗れて17年に護岸工事が始まりました。今年8月、県はうめ立て承認を撤回し、今は工事ができない状況です。
会計検査院
税金などで集めた国のお金(国費)が正しく、むだなく使われているかどうかをチェックする国の機関。公平に検査できるように国会・内閣・裁判所のどれからも独立しています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの必要経費について会計検査院が調べたところ、大会組織委員会が最新の予算とする1兆3500億円以外に、約6500億円が国の支出の中に組み入れられていたことがわかりました。費用はさらに増える見通しで、組織委は12月にも最新の予算総額を公表する予定です。
バリアフリー
英語で「障がいがない」という意味。建物の段差をなくしたり手すりをつけたりするなどしてお年寄りや体が不自由な人も不便や不安を感じないで過ごせるようにすることを指します。
国内の宿泊施設について、バリアフリー対応の客室を「全客室の1%以上」と義務づける改正バリアフリー法施行令を、政府は近く閣議決定します。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けての取り組みです。施行は来年9月1日の予定ですが、すでにある建物は対象外になります。
旭日旗
朝日をデザインした旗。明治時代から第2次世界大戦まで旧日本軍の旗として使われていました。今は自衛隊が日本の所属であることを示すために使っています=写真。韓国や中国では「日本の軍国主義の象徴」と反発する声があります。
韓国で11日に開かれた国際的な軍艦のパレードの前に、韓国側が日本の海上自衛隊の護衛艦に旭日旗を掲げないよう求めました。日本側は5日、パレードに参加しないことを発表しました。
政治資金規正法
政治団体によるお金のやりとりを、毎年公表される「政治資金収支報告書」に書き記すことを義務づけた法律。政党や議員などが日々行う政治活動に、国民の監視の目が行き届くようにするのが目的です。
自民党の工藤彰三衆議院議員が代表を務める政治団体が、支援者などから会費を集めた百人単位の「集会」を開きながら、その収入を報告書に書いていなかったことがわかりました。こうした有料の催し物について、まるごと書かれていないケースが見つかるのは珍しいことです。
免震
建物と地面の間に備え付けた装置で地震のゆれを吸収し、建物に大きな被害が出るのを防ぐこと。「積層ゴム」や「ダンパー」といった装置が使われます。
油圧機器大手「KYB」(東京)は16日、同社と子会社が製造した免震などの装置に検査データの改ざん(悪用するための書きかえ)があり、国土交通省の基準などに合わない製品を出荷していたと発表しました。疑いがあるものをふくめると、マンションや病院、庁舎など全47都道府県の建物計987件で使われているといいます。
臨時国会
内閣が必要なときに召集(集めること)できる国会。衆議院と参議院のいずれかで総議員の4分の1以上の求めがあるときも開かれます。ほかに毎年1月に始まる原則150日間の「通常国会」、衆議院の解散による総選挙後30日以内に召集される「特別国会」があります。
18日、政府・与党は24日に召集される臨時国会の会期を12月10日までの48日間とすることを決めました。災害対応などを盛りこんだ補正予算案などを話し合うためです。野党は、政府や与党への追及を強めるかまえです。
ODA(政府の途上国援助)
政府が途上国を助けるため、お金を出したり、技術を教えたりする取り組み。英語「Official Development Assistance」の頭文字です。日本は1954年にODAを始め、180以上の国と地域を支援してきました。
日本政府は79年から続けてきた中国に対するODAについて、中国の経済発展などもあり、今年度で終了することにしました。約40年にわたる支援は、あわせて計3兆6500億円あまりにのぼります。
リコール
車などの生産者が、欠陥があった製品を公表し、回収・修理して事故を防ぐ制度。英語で「recall」です。自治体の首長や議員を住民の意思でやめさせる制度などの意味もあります。
自動車メーカー大手のスバルが、エンジンの部品がこわれるおそれがあるとして、複数の車種について大規模なリコールを近く国土交通省に届け出ることがわかりました。国内だけでなく、海外で販売した車種にも影響がおよぶ可能性があり、対象は少なくとも数十万台にのぼるとみられています。
福祉避難所
災害が起こった時に、お年寄りや障がい者、妊娠中の人など、特別な配慮が必要な人向けの避難所のことです。市区町村が高齢者施設などから指定し、運営します。
朝日新聞が各都道府県にアンケートを行った結果、大部分の市区町村が1か所以上の施設を指定していますが、収容できる人数は国が求める数を満たしていないことがわかりました。支援員の確保や、住民へどのように知らせるかも課題です。
徴用工
第2次世界大戦中に、日本が統治していた朝鮮半島から日本の工場や炭鉱などに労働力として動員された人たちのことです。企業による募集や、「国民徴用令」という天皇からの命令などを通じて人が集められました。韓国政府がみとめた元徴用工は約22万6千人います。
元徴用工への補償は、日本と韓国の両政府とも、1965年に結んだ日韓請求権協定で解決した、という立場でした。しかし、協定に不満を持っていた元徴用工らが、日本企業などを相手に裁判を起こしていました。
アーネスト・ヘミングウェー
1899~1961年。アメリカの代表的な作家。第1次世界大戦の経験から、死ととなり合わせの状況に立ち向かう人間の姿を、数々の小説にえがきました。54年にノーベル文学賞を受賞。代表作は「武器よさらば」「老人と海」など。
未発表の小説「中庭に面した部屋」が、7日発売の文芸誌「新潮」12月号に掲載されます。生前、「死後ならいつでも発表してよい」と条件をつけていたそうです。

来年秋から消費税10%

モノを買うときやサービスを受けるときなどにかかる税金の消費税について、安倍晋三首相は2019年10月に税率を8%から10%へ引き上げる方針であることを改めて示しました。

税率の引き上げが経済に深刻な影響をあたえないよう、自動車や住宅など大きな買い物に対して減税をしたり、税率が上がったあとの一定期間、増税分と同じ2%をポイントとして還元するときの費用を補助したりすることなどが、対策として挙げられています。飲食料品(酒類をのぞく)をはじめ、くらしに欠かせない商品などには、本来かけるべき税率を低くおさえる「軽減税率」をとり入れ、8%にすえおきます。

消費税が日本で最初にとり入れられたのは1989年4月で、このときの税率は3%でした。97年4月に5%、2014年4月に8%になりました。10%への引き上げは当初、15年の秋とされていましたが、17年4月に延期。さらに世界の経済成長が減速していることなどを理由に再び見送られ、これまでに計2回、延期されました。

社会保障制度を安定させる財源を確保することが、税率を上げる目的の一つ。国の1年間の支出にあたる「歳出」で、社会保障関係費は約3割を占めており、この割合も入試でよく問われます。

消費税は生活に欠かせない商品などにも課されるので景気の影響をあまり受けず、安定した税収が見こめます。一方、個人の所得に課される「所得税」や会社の所得などに課される「法人税」は景気に左右されやすく、不景気だと税収が落ちこむ傾向があります。

税の種類もポイントです。国に納める税金が国税、地方自治体に納める税金が地方税です。それぞれについて、税金を負担する人と納める人が同じ直接税と、負担する人と納める人が異なる間接税があります。消費税は間接税で、負担するのは商品などを買う人、納めるのは商品を売る店などの事業者になります。所得税や法人税は直接税です。

【朝日小学生新聞2018年10月8日~2018年11月5日掲載】