ニュースのことば7月まとめ

20160915_04

核兵器禁止条約
核兵器の使用、開発、実験、保有などを禁止する条約。去年7月、国連加盟の193か国のうち122か国の賛成により採択され、9月から署名が始まりました。発効のためには50か国以上が署名し、国内手続きをへて批准することが必要です。
7日で採択されてから1年がたちますが、批准しているのはキューバやタイなど10か国にとどまります。北朝鮮の非核化に注目が集まるなか、核兵器を持つ国や、日本などは条約に反対していて、発効する見通しはまだ立っていません。
ハザードマップ
洪水や土砂災害、津波などについて想定される被害の範囲や避難場所などを示した地図。去年3月時点で、約1300市町村が公開しています。国土交通省のハザードマップポータルサイト(disaportal.gsi.go.jp/)に各地の情報が集まっています。
豪雨被害を受けた岡山県倉敷市真備町の洪水ハザードマップは、今回の被害とほぼ同じ浸水域の想定でしたが、約30人の犠牲者が出ました。市は住民にハザードマップを配っていましたが、「知らなかった」という声もありました。
共謀罪
犯罪を計画した段階から罰する罪のこと。この考え方をふくむ改正組織犯罪処罰法が去年7月に施行されました。以前は、犯罪を実行に移した段階で罪に問うのが原則でした。同法ではテロなど重大な犯罪を「組織的犯罪集団」が計画し、資金を集めるなどの準備を始めた段階で取りしまりの対象になります。
法律が施行されてから11日で1年です。実際の適用はありませんでした。
日米原子力協定
核兵器に使わないことを条件に、日本が原子力発電所(原発)の使用済み核燃料を再処理することを認める、日本とアメリカ(米国)との間の取り決め。原発の核燃料を再利用する「核燃料サイクル政策」を支えています。
協定は16日に30年の満期をむかえ、自動的に延長されました。核燃料サイクル政策は今まで通り続けられることになります。一方、核兵器にも使えるプルトニウムはたまり続け、日本は現在、約47トン(原爆6千発分)を国内外に保有しています。
児童福祉司
都道府県などが置く児童相談所で、虐待や非行への対応や指導を担当する専門職員。医師などの資格を持つ人や、大学で社会学や心理学を学んだ人などが配属されます。2017年度末見こみで3253人います。
東京都目黒区で5歳の女の子が虐待を受けて亡くなったとされる事件を受けて、政府は児童虐待防止の対策案をまとめました。児童福祉司を22年度までに約2千人増やす新しいプランを作ることと、子どもを見て安全が確認できなければ立ち入り調査を原則とすることが柱です。
JISとISO
JISは工業製品に関する規格や測定法などを定めた日本の基準。ISOはスイスに本部がある国際標準化機構が制定した国際規格です。製品やサービスの品質やレベルを世界中で同じにして、国際的な取引をスムーズにするねらいがあります。
大手素材メーカーなどの品質不正が相次ぐ中、JISやISOの認証機関の日本支店が不十分な審査で企業に認証をあたえる不正をしていたことがわかりました。国際的に高い評価を得てきた日本の製造業に対する信頼を損なうおそれがあります。
激甚災害
地震や大雨などで大きな被害が出て、被災地域や被災者への援助を特に必要とする災害のことです。激甚災害法に基づき政令で指定され、被災した自治体は国から財政的な支援を受けることができます。
政府は24日、西日本を中心とする豪雨災害などを激甚災害に指定すると閣議決定しました。道路や河川などの災害復旧について、補助金が1~2割ほど引き上げられ、最大9割程度が国の補助となる見通しです。
シェアリングエコノミー
インターネットを介して個人と個人がモノやサービスを売買すること。「シェアエコ」と呼ばれ、急速に広がっています。
内閣府は25日、2016年の市場規模を約6千億円とする初の政府推計を公表しました。分野別ではフリーマーケットアプリなど「モノ」の取引が3千億円と最大で、住宅を観光客らに貸す民泊などの「スペース」が1400億~1800億円など。多様化するサービスに法整備が追いつかないなどの課題が出ています。
パーキンソン病
手足が絶えずふるえる、筋肉が硬直するといった症状がでる病気。神経の中で情報を伝える物質ドーパミンをつくる脳内の細胞が減り、脳からの指示通りに動作が行えなくなります。
京都大学がヒトのiPS細胞からつくった神経細胞を、パーキンソン病の患者の脳に移植する臨床試験(治験)を始めることが7月29日、わかりました。iPS細胞は、体のどんな組織にも成長できる万能細胞の一種です。iPS細胞を実際の患者に用いる臨床応用は国内では目、心臓に続き三つ目です。
プルトニウム
自然界には存在しない、人工的に合成された元素です。毒性が極めて高い放射性物質で、原子力発電の使用済み核燃料にふくまれます。原子爆弾の材料にもなります。
原子力委員会は7月31日、日本が持つプルトニウムを現在の約47トンを上限とし、削減していく方針を決定しました。日本は使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、原発の燃料として再利用する政策を進めています。新方針でこの政策が立ちゆかなくなる可能性もあります。

 

西日本で記録的豪雨、台風12号が追い打ち

日本列島の上空に活発な梅雨前線がとどまった影響などから、西日本を中心に記録的な大雨が降りました。各地で土砂災害がおきたり、川があふれたりして亡くなったのは220人以上に。復旧・復興をめざす被災地に対して、東から西、西から南へと移動した台風12号が追い打ちをかけました。

被災地ではボランティアたちも活動に取り組んでいますが、きびしい暑さが「難敵」になっています。1日の最高気温について35度以上の日は「猛暑日」、30度以上の日は「真夏日」、25度以上の日は「夏日」です。寒い日の場合、1日の最低気温が0度未満の日は「冬日」、1日の最高気温が0度未満の日は「真冬日」になります。

入試でよく取り上げられるのが「台風」。上空から台風をみると、地上の近くでは反時計回りに風が吹きこみます(北半球の場合)。このため、台風の進路に対して右側のエリアでは、台風そのものによる風と台風を移動させる風が同じ向きに吹くことから風の勢いが強まります。

台風は日本列島の南に広がる太平洋高気圧(小笠原気団)の縁を沿うようにして北上する傾向があります。日本列島の近くまで来ると、西から東に向かって吹いている強い風(偏西風)に乗って、進路も北東寄りにかわります。

7月ごろはユーラシア大陸のほうに進みますが、8~9月ごろは日本列島の近くを通るようになり、10月ごろになると日本列島の近くまでは来なくなるのが一般的です。こうした動きになるのは太平洋高気圧の勢いが影響しています。

夏の太平洋高気圧は日本列島をおおうように張り出すことから台風も北上、秋になると太平洋高気圧の勢いがなくなり、台風の進路も南下します。

【朝日小学生新聞2018年7月16日~2018年8月6日掲載】