ニュースのことば 3月まとめ

20160915_04

奨励会
将棋の棋士を育てる養成機関で、正式名称は「新進棋士奨励会」といいます。規定の成績を収めると昇級、昇段する仕組みで、年間4人が四段に昇段しプロになります。26歳までに四段にならないと、原則として退会します。
女性で将棋界初の棋士を目指していた里見香奈さん(26歳)=写真=が4日、奨励会の三段リーグ戦の全対局を7勝11敗で終え、退会しました。
アニサキス
魚の内臓にすみつく寄生虫。幼虫は、長さ2~3センチほどで、太めの白い糸のように見えます。幼虫がついた魚を生で食べると、激しい腹痛をともなう食中毒が起きることがあります。対策は、70度以上での加熱や零下20度で24時間以上冷凍する、新鮮な魚を選び早めに内臓をのぞく、などです。厚生労働省によると、2017年のアニサキスによる食中毒の報告患者は240人(速報値)で、前年の126人からほぼ2倍でした。
新燃岳
宮崎県と鹿児島県境にある霧島連山にある活火山で、標高は1421メートルです。近年では2011年に大規模な噴火が発生。去年10月にも噴火し、気象庁は噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げていました。
新燃岳で6日午後2時半ごろ、爆発的噴火が発生しました。10日未明にも爆発的噴火があいつぎ=写真=、気象庁は午前5時すぎ、噴火警戒レベル3を継続したまま、大きな噴石に警戒が必要な範囲を火口の3キロ圏から4キロ圏に広げました。
PISA
経済協力開発機構(OECD)が行う国際的な学習到達度調査。2000年から3年ごとに15歳を対象に、読解力や数学的リテラシー、科学的リテラシーなどを調べます。
今年のPISAの一環として、異なる視点を理解したり、他の国や文化の人と積極的な関係を築いたりする力を調べる「グローバル・コンピテンス(GC)」調査が実施されますが、文部科学省はGC調査への参加を見送る方針を決めました。
高台移転
津波による被害などを避けるために、海に近い住居を高い場所へ移すことです。山を切り開いた内陸部へ移ったり、盛り土をして土地を高くしたりします。
東日本大震災の被災地、岩手、宮城、福島3県の自治体が行う高台移転が進んでいません。2012年12月時点で約2万8100戸だった計画戸数は、17年9月時点で約1万8300戸と、35%減っています。
完成まで長引いたことで、別の場所に定住する人が少なくないためです。
成人年齢
民法という法律で大人と認める年齢。現在は20歳ですが、18歳に引き下げる改正案を政府が13日に閣議決定しました。
改正案が成立すれば、2022年4月から、18歳、19歳も親などの同意なしに携帯電話やクレジットカードの契約や、お金を借りる契約ができます。別の法律で定めた、たばこを吸ったりお酒を飲んだりできる年齢は20歳以上で変わりません。
日本の成人年齢は、1876(明治9)年に20歳と決められてから140年以上変わりませんでした。
証人喚問
政治に関する不正や疑いを明らかにするために、関係する人を証人として国会に呼んで、証言や記録の提出を求めることです。衆議院と参議院が持つ権限で、憲法で定められています。拒否はできず、うその証言をした場合は罪に問われます。
森友学園への土地の売却に関する文書を書きかえていた問題で、書きかえ当時、財務省理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官(60歳)への証人喚問が行われる見通しになりました。
自動体外式除細動器(AED)
心臓が急に止まった人に電気ショックを与えて、心臓の動きをもどす装置。早く使うほど助かる可能性が高くなります。
学校で子どもたちの心臓が急に止まってしまう事故でAEDが使われたのは38%にとどまることが、東京女子医大などの調査でわかりました。2009~14年に全国の小中高校、高等専門学校で295件の心停止が起きています。事故の大半は運動中に起き、倒れた子どもの半数以上が亡くなっていました。
地下鉄サリン事件
1995年3月20日午前8時ごろ、東京・霞ケ関駅を通る地下鉄の計5本の電車の中で、新興宗教「オウム真理教」の幹部らが猛毒のサリンをまいた無差別殺傷事件。13人が亡くなり、6千人以上が負傷しました。元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚らの死刑が確定しています。
事件から23年となった20日、霞ケ関駅で遺族らが花をささげました。
G 20
日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの主要7か国(G7)に、ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカ、韓国、オーストラリア、メキシコ、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチン、ヨーロッパ連合(EU)を加えた20か国・地域のこと。
アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれていたG 20 財務大臣・中央銀行総裁会議は20日、閉幕しました。声明では貿易に制限を課す「保護主義」とたたかうことなどをもりこみました
介護保険料
介護保険サービスの費用は、自己負担をのぞき、40歳以上の人が払う介護保険料と税金で半分ずつまかないます。65歳以上の保険料は市区町村ごとに、利用されるサービスの量を予測して3年ごとに決めます。
65歳以上の保険料について、朝日新聞が主な74自治体にアンケートしたところ、6割をこえる47市区が4月時点で月額6千円以上になることがわかりました。高齢化で今後も上がる見通しです。
公示地価
全国の調査地点(2018年は約2万6千)の1平方メートルあたりの土地の価格。1月1日時点で不動産鑑定士が推定し、国土交通省が3月に公表します。「基準地価」や「路線価」とともに、評価が難しい土地の価格の目安となります。
国交省は3月27日、18年1月1日時点の公示地価を発表しました。地方圏の商業地が前の年から0.5%上昇し、26年ぶりのプラスに。都心を中心に進んできた地価の回復が、訪日客の増加などで地方の再開発地域や観光地に広がりつつあります。
学習指導要領
日本のどこに住んでいても、子どもたちが一定の水準の教育を受けられるようにするために、学校で教える内容や目標の基準を決めたものです。学校教育法などに基づき、文部科学省が定めます。
文科省は3月30日付で、2022年度から実施される高校の新学習指導要領を告示しました。政治や職業選択などから社会への参加を学ぶ「公共」などが新設されて必修科目になり、地理歴史・公民分野が特に大きく変わります。高校の指導要領改訂は09年以来、9年ぶりです。

 

ロシアで大統領選挙があり、現職のプーチン大統領が圧勝しました。任期は2024年までの6年です。プーチン大統領は2000年に初当選。2期つとめたあと、メドベージェフ大統領を後継にし、自身は首相として政権の中枢に残りました。今回の当選で20年以上にわたって事実上、権力をにぎることになります。

ロシアの面積は世界最大の約1710万平方キロメートルで、日本(約38万平方キロメートル)の約45倍です。人口は約1億4400万人(世界第9位)で、首都のモスクワを中心とするヨーロッパ側に集中しています。

日本とのあいだには北方領土(北方四島)をめぐる領土問題があります。択捉島、国後島、色丹島と歯舞群島のことで、入試では地図での位置やそれぞれの島の名前などがよく問われます。今春は東京・城北中などが出題。北海道の島について、日本が領土問題をかかえる国の説明で誤っているものとして「日本が石炭を最も多く輸入している貿易相手国」を選ばせました(最大の輸入国はオーストラリア)。

北方領土の歴史も確認しておきます。1855年に結ばれた日露和親条約では、千島列島のうち択捉島以南を日本領、樺太(サハリン)は境界を定めないこととしました。1875年の樺太・千島交換条約で、樺太全島がロシア領、千島列島が日本領に。日露戦争後に結ばれたポーツマス条約(1905年)では、北緯50度以南の樺太などが日本領になりました。

第2次世界大戦(太平洋戦争)末期の1945年、日本がポツダム宣言を受け入れたあと、ソ連(いまのロシアなど)が北方領土に侵攻して占領。1956年の日ソ共同宣言で国交は回復しましたが、日本とロシアのあいだでは平和条約が結ばれていません。日本は北方四島すべてを固有の領土として返還を求めています。

【朝日小学生新聞2018年3月12日~2018年4月2日掲載】