ニュースのことば 12月まとめ

20160915_04

エルサレム
古代から栄え、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地とされます。パレスチナは隣国のイスラエルの占領下にあり、国として独立を目指します。一方、イスラエルはエルサレム全域を「首都」と考えていますが、国際社会は認めていません。
アメリカ(米国)のトランプ大統領は5日、エルサレムをイスラエルの「首都」と認める方針をパレスチナ側に伝えました。パレスチナ側はこれに反発、中東和平交渉に影響が出そうです。
国連安全保障理事会は8日に緊急会合を開き、米国と親しいイギリスやフランスも、米国を一方的だなどと批判しました。アラブ諸国が加盟するアラブ連盟(21か国と1機構)は9日、米国に撤回を求めました。
パレスチナ各地で抗議行動や衝突が起き、数千人がけがをしています。
ラニーニャ現象
南アメリカのペルー沖の海面水温(5か月の平均)が、過去30年の月平均より0.5度以上低い状態が6か月続くこと。世界各地で異常気象をもたらす現象です。日本では、冬に大雪や厳しい寒さになりやすいほか、夏には酷暑や記録的大雨をもたらすこともあります。
気象庁は11日、「ラニーニャ現象」が発生しているとみられると発表しました。同庁の最新の1か月予報では、北日本から西日本の広い範囲で平年より気温が低くなり、日本海側を中心に雪が多くなるといいます。
国民栄誉賞
国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えた人をたたえる賞です。内閣総理大臣表彰の一つで、1977年に制定されました。
政府は13日、将棋で史上初の「永世七冠」を達成した羽生善治さん(47歳)=写真左=と、囲碁で2度目の七冠独占をとげた井山裕太さん(28歳)=写真右=に国民栄誉賞をおくる検討に入りました。棋士の受賞は初めてです。
リニア中央新幹線
JR東海が2027年の開業をめざす鉄道。車両の超電導磁石と地上のコイルとの間の反発したり引き合ったりする力で動きます。時速500キロで、品川(東京都)―名古屋間を40分で結ぶ計画です。
総事業費9兆円に上るこの工事をめぐり、大手建設会社4社が、それぞれどの工事を受け持つか話し合っていたうたがいがあります。入札で互いに競争するはずの業者が事前に相談し、入札価格や落札者を決めておくことは、「談合」といって、独占禁止法で禁止されています。
芥川賞・直木賞
正式には芥川龍之介賞、直木三十五賞といい、有名作家にちなむ賞です。芥川賞は芸術性の高い純文学作品、直木賞はミステリーや時代小説などが対象。1、7月の年2回、選ばれます。
第158回芥川賞・直木賞の候補作が20日、発表されました。直木賞の候補には、人気バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノを担当するSaoriさん=写真=が、本名・藤崎彩織の名で出した「ふたご」も入りました。
日韓慰安婦合意
日本と韓国の両国政府が2015年12月、慰安婦問題について最終的に解決することを確認した約束のこと。日本政府は、戦争中に軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を傷つけたとしておわびと反省を表明。韓国政府が元慰安婦らを支援する財団を設立し、日本政府が約10億円を出すことを決めました。
合意の交渉過程などを調べていた韓国側は去年12月27日、検証結果を発表。「非公開の合意」があり、「不均衡な合意」だったと指摘しました。日本側は正当な交渉だったと反論しています。
フジモリ元大統領
1938年生まれで、南アメリカ・ペルーの政治家。日系2世。90年から2000年まで大統領でした。07年に大統領時代の人権弾圧などで逮捕され、10年に25年間刑務所などの刑事施設に入る刑が確定。近年は健康状態が悪化していました。
同国のクチンスキー大統領は去年12月24日、恩赦(決まった刑の全部または一部を消すこと)を与えることを決めました。医師団が診察した結果をふまえ、刑事施設にこれ以上いると命が危ないかもしれないという判断です。

 

天皇陛下の退位日にあたる退位特例法の施行日を「2019年4月30日」とする政令が閣議決定。翌日の5月1日に皇太子さまが天皇に即位し、新しい元号になることが決まりました。

皇室についての決まりを定めた「皇室典範」では天皇が亡くなったときに新しい天皇が位につくと定められていますが、退位のときの決まりはありません。そのため、特別な法律で現在の天皇陛下一代かぎりの退位と皇太子さまの即位を定めました。
明治時代の1889年に発布された大日本帝国憲法は天皇が定める「欽定憲法」という性格でした。天皇は国の元首であり、天皇主権の原理が示されていました。国民の権利や自由などは、天皇があたえる「臣民の権利」という位置づけでした。
太平洋戦争(第2次世界大戦)後の1946年11月3日に公布、47年5月3日に施行されたのが、いまの日本国憲法。大日本帝国憲法とは異なり、国民が定める「民定憲法」です。第1条では「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と規定し、その地位は主権をもつ「国民の総意に基づく」と定められています。こうした考えを「象徴天皇」といい、天皇は国の政治にかかわる権限をもっていません(第4条)。天皇の国事行為については第3条で「すべての国事行為には内閣の助言と承認が必要で、内閣がその責任を負う」と規定されています。
元号についても確認します。もともとは古代中国ではじまった制度で、中国の影響を受けていた国に広がり、日本でもとり入れられました。日本で最初の元号は「大化」(645~650年)とされています。明治時代になると、一代の天皇が在位中は同じ元号を使う「一世一元の制」が定められました。

【朝日小学生新聞2017年12月18日~2018年1月8日掲載】