ニュースのことば 9月まとめ

20160915_04

水素爆弾(水爆)
核兵器の一種です。原子爆弾(原爆)が爆発するときの高温と高圧で、重水素や三重水素などを核融合させてできるエネルギーを利用します。原爆よりはるかに大きなエネルギーを得られますが、高い技術が必要です。アメリカが1954年に太平洋で行った水爆実験では、日本の第五福竜丸などが被ばくしました。小野寺五典防衛大臣は3日の北朝鮮による実験の爆発規模について、広島に投下された原爆の10.7倍、長崎の原爆の7.6倍にあたるとして、「日本と国際社会に大きな脅威になる」と述べました。
国連安全保障理事会(安保理)
国際連合の主要機関の一つです。15の理事国からなり、アメリカ(米国)、イギリス、フランス、ロシア、中国の5か国が拒否権を持つ常任理事国で、その他は任期2年の非常任理事国です。日本は2016年1月から非常任理事国です。
太陽フレア
太陽の表面で起きる強大な爆発。強いX線や紫外線、電波などを出して、地球のまわりにある磁気に影響をおよぼします。地上にいる人体への影響はないとされます。大規模な太陽フレアが発生したと7日、情報通信研究機構が発表しました=写真は2種類の波長の紫外線を着色して合成したもの。爆発規模は最大級で、2006年以来です。
イグ・ノーベル賞
「人々を笑わせ、考えさせる研究」などに贈られる賞で、1991年にアメリカで創設されました。英語の「ignoble(おろかな)」とノーベル賞をかけ合わせた言葉です。物理学や化学、平和などの部門があります。今年のイグ・ノーベル賞が14日に発表され、北海道大学准教授の吉澤和徳さんらの研究チームが「生物学賞」を受賞しました。日本人の受賞は11年連続。ブラジルの洞窟にすむ「チャタテムシ」という昆虫の仲間は、交尾の時におすとめすが「逆転」していることを解明しました。
臓器移植法
脳死の人から心臓や肺などの臓器を提供できるようにする法律です。1997年に施行後、2010年に改正法が施行され、本人の意思がわからない場合は、親族の同意で提供でき、15歳未満でも提供できるようになりました。臓器を提供できる全国896施設について、臓器移植法施行後の20年間に提供された476例の約半数が約8%の施設に集中し、大半の施設では体制が整っていないことがわかりました。日本臓器移植ネットワーク(移植ネット)のデータから朝日新聞が計算しました。
半導体
よく電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の性質をもつ物質。主にシリコンやゲルマニウムが原料です。スマートフォンやエアコンなどの電化製品の部品として、私たちの生活に欠かせないものです。経営再建中の大手電機メーカー・東芝は20日、半導体をつくる子会社「東芝メモリ」を、アメリカと韓国、日本の企業などからなるグループに売却することを決めました。東芝メモリの売却額は2兆円の見通し。来年3月末までに売却し、経営を立て直す考えです。
戸籍法
国民の家族関係などを示す戸籍についての法律。子どもの名前には、一般的なやさしい文字を使わなければいけない、と定めています。常用漢字表にある2136字と、人名に使える862字の計2998字を具体的に指定しています。子どもの名前に、新たに「渾」の字を使えるようになります。法務省が9月25日、裁判所の判断を受けて戸籍法のルールを改正しました。2015年1月に「巫」の字が追加されて以来で、計2999個になりました。「渾」には「すべて」などの意味があります。
南海トラフ
静岡県の駿河湾から九州東方沖まで続く深さ約4千メートルの海底のくぼみのこと。約100~150年の間隔でマグニチュード8前後の地震がくり返し起きています。南海トラフ地震について政府は9月26日、震源域で異常な現象が確認された場合に警戒を呼びかける、新たな情報発信の仕組みを始めると明らかにしました。
重力波
巨大なブラックホールが合体した時などに生じる空間のひずみが、波のように宇宙空間を伝わってくる現象。アインシュタインが約100年前に存在を予言し、2年前にアメリカ(米国)で初観測されました。新たな天文学に道を開くと期待され、初観測に貢献した米国の研究者らは3日発表のノーベル物理学賞の有力候補とされます。重力波の観測に成功したと9月28日、イタリアなどの国際共同研究チームが発表しました。観測は今回が世界で4回目。ヨーロッパでの観測は初めてです。
日中国交正常化
日本と中国が太平洋戦争の敵対関係を終わらせて国交を結び、関係が正常になったこと。中国・北京で1972年9月29日、日本の田中角栄首相=写真左=と中国の周恩来首相=写真右=が共同声明に署名しました。安倍晋三首相は9月28日、日中国交正常化45周年を祝う行事に、日本の首相として15年ぶりに出席しました。来年を視野に自らの中国訪問と習近平国家主席の来日を呼びかけました。
 

 

国際オリンピック委員会が2020年の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの次に開催する24年夏季大会をフランスのパリで、その次の28年大会をアメリカのロサンゼルスで開くことを決めました。パリでの開催は1900年、24年以来。ロサンゼルスは32年、84年以来となり、ともにイギリスのロンドンとならんで最多となる3回目の開催です。

このニュースに関連しておさえておきたいのが東京五輪。2020年の大会も大事ですが、入試で「切り口」になりそうなのは前回のほう。開催された1964年を軸に、経済の動きに注目します。
戦後の日本経済は1950年からの朝鮮戦争による「特需景気」で回復して急成長をとげました。50年代半ばから70年代初めにかけての時期を「高度経済成長期」といいます。

池田勇人内閣は1960年に「(国民)所得倍増計画」を打ち出し、輸出を増やして国民総生産(GNP)を10年間で2倍にすることなどを目標に掲げました。太平洋ベルト(地帯)を中心に、鉄鋼や機械、化学などの重化学工業が発展し、おもなエネルギー資源が石炭よりも安い石油にかわったことも経済の成長を支えました。東京五輪の開催に先立って高速道路が整備され、東京-新大阪間で東海道新幹線も開業。旅客の輸送で大きな転機となりました。

大量生産で価格が安くなったことなどから電化製品や自動車などが普及。1950年代中ごろから白黒テレビ・電気洗濯機・電気冷蔵庫の「三種の神器」が一般家庭にも広がりました。家事の負担が軽減され、女性の社会進出を後押ししたともいわれています。
こうした経済成長も1973年の「石油危機(オイルショック)」で打撃を受け、日本経済はこれ以降、安定成長に移りました。

【朝日小学生新聞2017年9月18日~2017年10月2日掲載】