ニュースのことば5月まとめ

20160915_04

連邦捜査局(FBI)
アメリカ(米国)の司法省に設けられた機関。連邦政府にかかわる重大な事件の捜査や、スパイ活動などに関する情報収集を行います。
米国のトランプ大統領は9日、FBIのコミー長官=写真=を辞めさせました。FBIは米国とライバル関係にあるロシアとトランプ氏側が米大統領選挙の前後にやりとりをしていた問題について捜査をしていました。
慰安婦問題をめぐる日韓合意
戦争中に軍人らの性の相手をさせられた慰安婦に対し、日本政府の責任を認め、韓国政府が元慰安婦の支援のために設立する財団に、日本から10億円を出すことにしました。両国は2015年に合意したこの約束で、慰安婦の問題を最終的に解決させることを確認しました。
 安倍晋三首相は11日、韓国の文在寅大統領と初めて電話協議を行い、この合意で決めたことに取り組んでいくことの大切さを伝えました。文大統領は、韓国では合意に反対する意見が根強いことを話すなど、考え方のちがいがはっきりしました。
サイバー攻撃
コンピューターのネットワークに入りこむなどして、データをこわしたりぬすんだりすること。市民生活や企業、国の活動に被害をあたえます。
世界各地でマイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」をねらった大規模なサイバー攻撃があり、14日までに、被害は日本をふくめて少なくとも150か国で計20万件に広がっています。ヨーロッパでは病院の診療や工場が止まりました。「身代金ウイルス」による攻撃で、使えなくなったデータを元にもどすためにお金の支払いを求められます。
シルクロード経済圏構想(一帯一路)
アジアや中東、ヨーロッパを陸路と海路で結ぶ新しい経済圏をつくろうとする考えです。中国の習近平国家主席=写真=が2013年に打ち出し、主導しています。鉄道や道路、港湾、通信網などのインフラ建設を進めます。
一帯一路の初めての国際会議が14、15日に中国の首都・北京で開かれました。世界130か国以上が参加、うち29か国は首脳が出席。経済面で協力を強めるという共同声明を出しました。
宮家
宮家は、男性皇族の結婚や成年などにともなって設けます。いまの天皇陛下の次男の秋篠宮家や、常陸宮家、三笠宮家、高円宮家があります。
現在の皇室典範では、宮家の創設は男性皇族に限られています。女性皇族は、結婚にともなって皇籍をはなれ、一般市民となります。ただ、皇族が減っていて、今後の皇室活動に支障が出る可能性があるといわれています。対策として、女性皇族が結婚後も皇室に残れるような「女性宮家」の創設が、話題にあがっています。
デフリンピック
耳の不自由な人たち(英語でdeaf)が競う、4年に1度の国際スポーツ競技大会。聴覚障がいの選手はパラリンピックには出場していないので、デフリンピックが最高峰の戦いです。1924年にフランスで始まり、2001年から今の名前になりました。夏季大会と冬季大会があります。
23回目の夏季大会が7月18~30日にトルコで開かれます。全日本ろうあ連盟スポーツ委員会は18日、出場する選手や監督、通訳など日本選手団177人を発表しました。
国家戦略特区
地域限定で国のルールにとらわれない特別な活動が認められる制度。安倍政権の経済成長のための戦略の一つで、2013年に始まりました。「東京圏」「関西圏」など全国10地域が指定されています。
学校法人「加計学園」が国家戦略特区の愛媛県今治市に獣医学部をつくることが今年1月、認められました。学園の理事長が安倍晋三首相の友人で、特別な取り計らいがあったのでは、という疑惑が持ち上がっています。現在、文部科学省が基準をみたしているか審査しています。
キッズウィーク
政府が新しくつくることを検討している大型連休です。学校の夏休みなど長期の休みの一部を地域ごとに別の時期にまとめて移します。全国の小中高校を対象に主に夏休みの開始を遅らせたり、終了を早めたりして、別の時期にまとめて休むことを想定しています。例えば、夏休み中の平日5日間を移すと、前後の土日と合わせて9連休が可能となります。
大人に有給休暇の取得をうながすねらいで、政府は企業にも協力を求めます。来年4月からの実施をめざします。
公道カート
自動車の運転免許があれば、道路を走ることができる小型の車。公道カートを貸し出して、ゲームのキャラクターの衣装で市街地を走らせるサービスもあり、外国人らに人気です=写真。
一方、事故も起きています。警視庁は公道カートを貸し出す東京都内の業者などに事故防止を徹底するよう求めています。
G7
アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダの主要7か国。「G」は「グループ」の頭文字です。G7のトップが集まる首脳会議(サミット)は1970年代の石油危機などをきっかけに、75年にフランスで始まりました。ロシアが加わったこともありましたが、近年はロシア抜きの首脳会議が続いています。
G7首脳会議が26、27日、イタリア南部シチリア島で開かれました。テロ対策やシリアをはじめとする中東情勢、北朝鮮問題、世界経済などを議論します。
排他的経済水域(EEZ)
漁業や地下の鉱物資源などをひとりじめすることができる権利を持つ海域のこと。沿岸国は沿岸から12カイリ(約22キロ)までの領海の外側で、200カイリ(約370キロ)を超えない範囲で、どの国にも属さない公海上に設定することができます。「国連海洋法条約」という海にかんする条約に基づき、それぞれの国の国内法で決められています。
北朝鮮が5月29日に発射した弾道ミサイルは、日本海のEEZ内に落ちました。北朝鮮の弾道ミサイル発射は3週連続です。
国連特別報告者
国際連合(国連)の人権理事会から任命され、北朝鮮やシリアなど13の国・地域別、人身売買や表現の自由といった43のテーマ別に人権状況を調べる専門家。任期は最長6年。報酬はありません。
特別報告者のジョセフ・カナタチさんは、犯罪を計画した段階から処罰する「共謀罪」法案がプライバシー侵害などのおそれがあるとする書簡を安倍晋三首相に送りました。政府は5月30日、「誤解にもとづくと考えられる点も多い」などとする答弁書を閣議決定しました。

 

政府は衆議院(衆院)の小選挙区について区割りを見直す公職選挙法改正案を閣議決定。衆院の本会議でも可決され、近々、成立する見通しです。6県の定数をそれぞれ1人減らす「0増6減」など19都道府県97選挙区の区割りを見直すというものです。選挙区によって有権者数が異なり、投票の価値(重み)に差が出る「一票の格差」を2倍未満におさえるねらいがあり、2020年時点の見こみ人口をもとにした最大格差は1.999倍となります。

「一票の格差」をめぐって最高裁判所は、ここ3回の衆院選に対して憲法違反(違憲)の一歩手前にあたる「違憲状態」と判断してきました。こうした状況を改めるため、国会では去年、小選挙区を「0増6減」、比例代表を「0増4減」とする衆院選挙制度改革法が成立。この法律にもとづいて見直し作業が進められてきました。

小選挙区は青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の各県で1人ずつ減り、比例代表では東北、北関東、近畿、九州の4ブロックで1人ずつ減ります。衆院の定数はいまの475人から465人になり、戦後最少になります。新たな区割りには周知期間が必要で、関連法は成立から約1か月後に施行。新しい制度での衆院選が実施できるようになるのは、この夏以降になる見通しです。

「選挙」や「選挙制度」を切り口にした出題は中学入試の定番です。特に2016年に実施された参議院議員選挙が、投票できる年齢が「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられてはじめての国政選挙だったことから、今春の入試でよく取り上げられました。年齢や性別、納税額など選挙権があたえられる条件(資格)の移りかわりはもちろん、「一票の格差」が憲法と照らし合わせて問題になる理由(根拠)として第14条で定められている「法の下の平等」を答えさせる問題もめだちました。

【朝日小学生新聞2017年5月15日~2017年6月5日掲載】