2017年度合格へのこの一問 資料問題編⑥

資料問題編⑥ 日本の貿易と各国の二酸化炭素排出量

執筆・早稲田進学会(大島茂)

資源の少ない日本は、どのようにして貿易大国となってきたのか、そして、産業が発展することが地球環境、特に、地球温暖化にどのような影響をもたらすのか。諸外国のありようもふまえ、さまざまな資料から分析してみましょう。

たくやさんは、夏休みに日本の輸入や輸出の様子を調べ、次の資料1・2を見つけて、父親と次のような会話をしました。

会話1

たくや:輸出品の割合をみると、1980年も2012年も、機械類や自動車などの工業製品が多いね。でも、輸入品の割合は、2012年になると原油などの原料品が減って、機械類や化学製品のような工業製品が増えているよ。

父 親:本当だね。1980年ごろまでの日本の貿易は、①すぐれた技術をいかした貿易が特色だったはずだけど。

たくや:②最近の日本の貿易はどんなふうに変化したのかな。

 問題1 
上の会話1の下線部①のすぐれた技術をいかした貿易とはどのような貿易ですか。資料1、資料2から読み取れることを参考に、「輸入・輸出」の2つの語句を必ず使って書いてください。

次に、たくやさんは、下線部②の疑問を解決するために、日本の主な輸入先と輸入額について、資料を集めたりグラフを作ったりして、自分の考えをまとめていきました。

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 問題2 
次の資料4は、たくやさんが作成しているグラフですが、中国のグラフが未完成です。中国からの日本の輸入額は、2010年が1985年の8.125倍となっていることから、
( a )の数値を求め、資料3をもとに資料4の中にある、中国のグラフを完成させてください。

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さらに、たくやさんは、工業が発展すれば、二酸化炭素の排出量が増え、地球温暖化がさらに進行すると考え、追加で表やグラフを作成し、父親と次のような会話をしました。

会話2

たくや:中国は「世界の工場」とよばれるように、工業製品の生産や輸出がさかんだけど、資料5に見られるように、二酸化炭素の排出量が世界で一番多いよ。

父 親:中国は、今までのような地球温暖化を招いた責任はアメリカや日本などの先進工業国に責任があることや、資料7に見られるように自分の国はアメリカやオーストラリアに比べ、(  ③  )が少ないことを主張して二酸化炭素の排出削減に積極的でない時期もあったんだ。今では、国内外で様々な環境問題が起こり、その解決に向けた会議も開かれ、環境問題にも取り組むようになったけどね。

たくや:世界は確実に変化してるんだね。工業が発展し、地球環境問題も解決できる世界になってほしいな。

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 問題3 
会話2( ③ )資料7の表題( ③ )には同じ言葉が入ります。

(1)資料7資料5資料6中のア~ウのいずれか1つをもとに作成したものです。( ③ )の言葉を考える際に必要な項目を資料6中のア~ウから選び、記号を書いてください。

(2)( ③ )に入る言葉を資料5(1)で答えた資料6の項目を参考に書いてください。

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解説・解答を見ないで、まず自分で分析してみよう!

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 問題1 
1980年の日本の貿易に着目すると、資料2の輸入品では、原油などの燃料の割合が高いのに対し、輸出品では機械類や自動車などの製品の割合が高いということから、燃料を利用しながら、高い技術力で製品を生み出していることがうかがえます。

 問題2 
グラフの単位は兆円となっていますので、計算にあたって、中国からの1985年の輸入額も兆円に直して、それに8.125をかけていきます。けた数の多い計算ですが、ミスしないようにしましょう。グラフ記入にあたっても、目盛りを見まちがえず正確にやることが求められます。

 問題3 
資料7は、資料56をもとに作成され、単位はトンになっていることから、資料6の人口あるいは面積で資料5の排出量を割ったデータであることがわかります。そして、中国がアメリカの3分の1以下となっている点から、面積をもとにした排出量ではないことが推測できます。


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 問題1 
原油などの燃料や原料を多く輸入して、それをもとに国内で生産された製品を輸出するような貿易。

 問題2 
 13000

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 問題3 
(1)
(2)国民1人あたりの二酸化炭素排出量

【朝日小学生新聞2016年8月31日(水)掲載】