18年度入試の時事問題 よく出るテーマをおさえる

2018年度の中学入試は関西地区の学校がひと区切りつき、首都圏では千葉県にある学校が20日からスタート。東京都と神奈川県の学校では2月1日から始まります。今春の入試では、どのような時事問題が出題されているのでしょうか。関西地区や1回目などの入試を終えた首都圏の学校を中心にみてみました。これから本番に臨む受験生がおさえておきたいポイントも紹介します。(編集委員・大島淳一)

よく出るテーマをおさえる

よく取り上げられているテーマのひとつが「選挙」です。2017年の秋に実施された衆議院議員選挙(総選挙)を「入り口」にした出題がめだちます。長野・佐久長聖中では選挙に当選したい政治家が投票率の高い高齢者を念頭に置いた政策を優先して打ち出すなど、高齢者が政治に影響をおよぼす現象として「シルバー民主主義」を記述。秋の総選挙から改められた衆議院議員の定数(465人)を答えさせたうえで、その理由として選挙区によって有権者の人数が異なり、投票の価値に差が生じる「一票の格差」を是正する目的があることを問いました。選挙権があたえられる年齢が引き下げられて初めての総選挙だったことから、大阪・関西大学第一中では資格(条件)の移りかわりを出題。古い順に「一定金額以上の税をおさめた25歳以上の男子↓25歳以上の男子↓20歳以上の男女↓18歳以上の男女」とならべさせました。

選挙制度についての出題もめだち、埼玉・栄東中は正しい説明として「衆議院議員の比例代表選挙では政党が立候補者の名簿に当選する順番をつけて提出する」を選択。大阪・清風南海中では参議院の説明について正誤を判断させました(参議院議員の任期は6年であり、3年ごとに議員の半数を改選する…正、参議院議員の被選挙権は満30歳以上である…正)。

「核(兵器)」をめぐる動きも頻出。京都・洛星中の出題が典型的な例です。田上富久・長崎市長が17年の夏におこなった「平和宣言」の文章に空欄を設け、適切な語句や関連事項を答えさせる形式。長崎に原子爆弾(原爆)が投下された日(1945年8月9日)や東日本大震災で引き起こされた問題(福島県での原子力発電所の事故)を問い、核の傘(例:核兵器を持つ国の戦力で友好国の安全が守られること)や非核三原則(例:「核兵器を持たず、つくらず、持ちこませず」という理念)についても説明させました。

奈良・東大寺学園中では核兵器についての説明で誤っているものとして「1954年、ビキニ環礁でソビエト連邦が水爆実験をおこなったことにより日本の漁船が被ばくした」、2017年の出来事で誤っているものとして「国連総会において、核兵器の全廃と根絶を目的とした核兵器禁止条約が加盟国の全会一致で採択された」をそれぞれ選ばせました。水爆の実験はアメリカがおこない、核兵器禁止条約に対して日本などは現実的ではないとして反対の立場をとっています。

理科では「ヒアリ」をマーク

国や地域の男女別・年齢層別に人口の構成をあらわしたグラフ「人口ピラミッド」もおさえておくのがよさそうです。大阪・大阪星光学院中や埼玉・開智中などで取り上げられました。

出生率と死亡率がともに高いと「富士山型」、出生率と死亡率がともに低いと「つりがね型」、出生率と死亡率が低いうえに「つりがね型」とくらべて15歳未満が少なく、65歳以上が多い場合は「つぼ型」。日本は「富士山型」から「つりがね型」に推移し、「つぼ型」へとかわってきています。

理科の時事問題では「ヒアリ」をマーク。南アメリカ原産の猛毒を持つアリです。大阪・高槻中ではヒアリを切り口に昆虫のからだが大きくいくつの部分にわかれているか(頭部・胸部・腹部の三つ)、アリの口はどのような使い方に適しているか(かむ)などを出題。千葉・昭和学院秀英中(第1志望校とする受験生を対象に去年12月に実施)ではアリが、幼虫↓サナギ↓成虫と「完全変態」する昆虫であることから、同じように完全変態する昆虫として「カブトムシ・ハチ・チョウ・テントウムシ・カ」を選択。また、外来生物法の正式な法律名に空欄を設け、適切な語句として「生態系」を選ばせました。外国から日本に持ちこまれる生き物のなかで、あたえる影響が特に大きいものを「特定外来生物」といいます。こうした生物が広がらないようにするための法律が「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」です。

【朝日小学生新聞2018年1月21日 掲載】