受験校を決める時期 第1志望への思い大事に

受験生は、いよいよ受験校を決めて目標を明確にする時期に来ました。どのような点を大事にして第1志望校を考えればいいか、併願校をどう選んだらいいか、臨海セミナー中学受験科横浜支部長の井上佳之さんに聞きました。(畑山敦子)

動機が強い方ががんばれる

第1志望を決める際は、まず本人の「この学校に通いたい」という思いを大事にしてほしいです。学校へのあこがれ、目指す動機が強い方が厳しい勉強も乗りこえられます。また、自分のレベルよりも高い学校を目指すことで実力アップにもつながります。

模擬試験(模試)の合格判定は参考になりますが、それだけで決めるのはすすめません。合格判定はあくまで過去の受験生のデータなどから予想されたもので、実際の入学試験とは異なります。結果に一喜一憂せず、自分の実力や苦手な分野を知る目安にしましょう。

学校見学や説明会、文化祭などのイベントに足を運ぶ人も多いと思いますが、タイミングが合わなければ、イベントではなく日常の通学風景を見るのも生徒の雰囲気が感じられてよいでしょう。入ってから後悔しないために、可能な限り下調べをして、本人の気持ちを尊重しながら志望校を選んでいきます。

一度決めた第1志望はかえないことが望ましいです。目標に合わせて勉強方法を見直すことで、本番に向けて実力をのばせるからです。

ただ、高い目標を設定した分、無理をしすぎて体調をくずしてしまう人も中にはいます。そうした場合、希望をあきらめるということではなく、よりよい結果につなげるために自分の実力に合った学校へ見直すことも大事です。

併願校は向き・不向きが重要

第1志望が模試の自分の平均偏差値より5ポイント以上高い「チャレンジ校」だとすると、併願校は、自分の偏差値と比べて5ポイント程度上または下の「適正校」、平均より5ポイント以上低い「有望校」を目安に考えます。

偏差値にとらわれすぎず、教育内容や子どもの成長が期待できるかに加え、入試問題も重要です。記述が多いか、理科や社会の配点は国語や算数と比べてどうかなど、向き・不向きを見極めた方が有利です。入学手続きの期限も重要です。

臨海セミナーの場合、受験生が受けるのは平均で4、5校です。可能な限り、最初の2、3校のうち一つは合格を得ることが大事と伝えています。ここで合格を得ることで、後半に向けてモチベーションが築けます。そのため、チャレンジ校ばかりでなく実力に合った学校を早い日程に入れるといいでしょう。

そこで、同じ学校の複数回受験や、午前だけでなく午後の時間帯の受験などを活用します。先に出た結果によって次に受ける試験をかえることも念頭に、日程が重なる複数の学校への「ダブル出願」も検討しましょう。ただ、本人の集中力や体調、過去問の準備などを考えて、学校数をむやみに増やすことはさけるべきです。

6年間充実した学校生活を送れて、楽しく安全に通える学校を選びましょう。

【朝日小学生新聞2017年10月15日 掲載】