過去問の取り組み方 出題の量や形式に慣れる

受験をひかえた6年生は、過去に出題された入試問題(過去問)にチャレンジする時期です。志望校でどんな問題が出されたのかを知り、形式や難易度に慣れるためです。安田教育研究所代表の安田理さんに取り組み方を聞きました。(岩本尚子)

まず得意な教科を3年分

塾などに通っている場合、夏までにすべての単元を教わったことでしょう。安田さんはその復習が終わってから、過去問に取り組むことをすすめます。過去問に歯が立たないと、やる気がなくなってしまう場合があるからです。

9月までに受けた模擬試験(模試)をふり返ってみましょう。受験生全体の正答率が50%以上の問題で、単純ミスではなく知識や理解が足りないために解けなかった問題があったら、テキストにもどって単元全体を見直します。

塾などでは、過去問は第1志望校から始めるよう指導されるかもしれません。安田さんは「学力が高ければいいですが、まだ第1志望校のレベルに届いていない人は、問題が易しい併願校から始めましょう」とアドバイスします。

最初は得意な教科を3年分続けて解くという方法をすすめます。その次は2番目に得意な教科3年分、苦手な教科3年分、といった順です。1年分4教科ずつ解くよりも、各教科の問題の量や順序などの傾向をつかみやすくなります。

秋は模試や行事などでいそがしいため、スケジュールを立てておきます。目安は第1、第2志望校は3、4年分。併願校は1年分以上。併願校だからと過去問を見ずに受けるのは、失敗のもとです。休日にじっくり解くだけでなく、あき時間を利用して1、2問ずつでも進めます。表を作り、進みぐあいを自覚します。

「最初は時間を計らないほうがいい。じっくり考えて取り組んで」と安田さん。まちがえた問題で正答率の高いものは解き直し、「設問の意味を取りちがえた」「知識が足りない」など、原因を確かめます。

入試では満点を取る必要はありません。合格ラインは高くても7割。多くの学校ではウェブサイトなどで公開しています。12月ごろに「入試問題解説会」を開く学校もあります。問題の構成や採点基準などがわかるので、保護者は第1志望校には足を運びましょう。その際、過去問の実物を入手できることもあります。解答用紙の解答欄の大きさなどに慣れることも、本番への力になります。

入試1か月前からは本番の教科順で、制限時間内に解く訓練をします。

ふだんの生活の中にも学びが

時事問題や一般常識の問題を出す学校もあります。新聞やニュースにふれているか、日常生活をきちんと送っているかを確かめるねらいがあります。特に公立中高一貫校や女子校を受ける人は、受験勉強だけでなく「ふだんの生活が大事」と安田さん。時事的なテーマへの意見や、お箸の数え方(1膳、2膳)など、入試問題は多様化しています。「塾だけが学びの場ではありません。駅やスーパーマーケットで気づいたこと、ニュースをもとに考えたことなど、ふだんから親子でいろいろなことを話してください」

【朝日小学生新聞2017年10月1日 掲載】