難関私立中も公立中高一貫校も問う 「記述力」をのばすには

国語をはじめ、中学入試で必要とされるのが「問い」に対する「答え」を適切にまとめる「記述力」です。どうしたらのばせるのでしょうか。「朝小 記述力アップ講座」(木曜日に掲載)で先生役をつとめる大手進学塾「市進」の国語科責任者、藤原康浩さんに教えてもらいました。(編集委員・沢辺雅俊)

本文中から答えを見つける

中学入試では記述式で解答する問題がめだち、「御三家」と呼ばれる首都圏の難関私立中では以前から記述式の問題がもりこまれています。公立中高一貫校の適性検査では作文はもちろん、理科や社会の分野でも示されたデータなどを読み取り、まとめさせるという問題がよく出ます。私立の中堅校でも増えているそうです。

国語の読解問題で問われるのは具体的にどのようなものなのでしょうか。題材(素材文)が説明文の場合、①ある現象にいたった理由、②起きた結果、③指示語の内容、④主張をまとめる――。大きくこの四つです。物語文なら、①出来事、②登場人物の心情、③文章全体のテーマとなります。

いずれも本文中から答えを見つけるのがポイント。解答をまとめるとき、問いの内容にあたる部分が書かれている直前からぬき出すか、ところどころを全体からぬき出して構成するか、見極めが必要な場合もあります。解答に入れる部分が独立した内容か、前の段落と結びついているか、で判断します。

物語文で「理由」を問われたときは、登場人物の心情を表す語句をつけ加えるのも一つの方法です。たとえば、走っていた主人公が転んで泣いたという場面。「なぜ泣いたのか」と問われたら「転んだから。」だけではなく、主人公の感情も入れて「転んで悲しかったから。」などとします。

文学作品では心情を直接表す言葉はあまり書かれず、行動や情景などで表現する傾向があるので、気持ちを読み取り、つけ加えます。そのときに心情によりフィットした言葉(はずかしい、くやしい、てれくさいなど)を書けるとさらにいいでしょう。

解答するとき、「どんなことか」と聞かれたら文末は「~のこと。」、「なぜ~か」と聞かれたら「~だから。」とします。書く分量は指定字数の8割が目安。句読点も1字とみなして1マスに入れ、誤字や脱字に注意します。

キーワードに線 まずは書く

「記述は苦手」という人もいるかもしれません。その場合、答えになりそうな部分に線を引き、短くてかまわないので、まずは書いてみます。解答するとき、問いに対応した表現にするように心がけます。

国語以外はどうでしょうか。たとえば社会。グラフや表を読み取るという出題では「かぎ」となるデータを見つけたら、単純な表現でいいのでまとめます。「~で増えている」「~がのびている」といった具合です。知識を問うような出題なら、関連するキーワードを必ずもりこみます。

記述力をのばすには、読解の量を増やすことが欠かせません。おすすめの「材料」は新聞です。短い文章のなかに情報がまとまり、見出しやリード(前文)の形で本文が要約されています。好きなところから読んでみましょう。

家庭では、きちんと会話をするのがおすすめです。「うん」「いや」など一言ですますのではなく、主語・述語を入れ、感情の動きや理由なども説明できると表現力がつき、記述力のアップに役立ちます。

【朝日小学生新聞2017年9月24日 掲載】