模試を活用するには? 一喜一憂せず本番に生かす

受験へ向けて、6年生は模擬試験(模試)を受ける回数が増えてきます。結果に一喜一憂するのではなく、苦手分野を知ることなどが本来の目的です。サピックス小学部・教育情報センター本部長の広野雅明さんに、模試を活用する心構えを聞きました。(寺村貴彰)

大きく分けて四つの目的

貴重な時間をさいて模試を受ける目的は、大きく四つに分かれます。①自分の苦手な分野を知る②本番の雰囲気に慣れる③時間内で解答する力を身につける④成績表から現在の力を確認する――です。

それぞれくわしく見ていきましょう。

苦手分野を知る

①の「苦手な分野」は、模試でまちがえた問題から推測できます。広野さんは「次に同じ考え方の問題が出てきたときに、必ず解けるようにすることが大切」と話します。受験をめざす6年生は夏休み明けから塾の授業が増え、以前取り組んだテキストにもどって復習する時間が取りにくくなっています。出てきた問題に集中することが第一です。

特にまちがえてはならないのは、「みんなが解けていた(正答率が高い)問題」です。この正答率が合否を分けることになります。逆に、正答率の低い問題は、余力のある人だけ解き直すとよいそうです。

「受験直前になったら、苦手教科があるからといって、そればかり勉強してはいけません。合否は合計点で決まるので、得意教科もやらなければ得点力が下がってしまいます」

雰囲気に慣れる

②では「本番の雰囲気」に慣れていないと、家では解ける問題でも、緊張したり、他の子が気になったりして、ふだんの力を出せないことがあります。あせったときに計算ミスや問題文の読み飛ばしなど、自分の「悪いクセ」が出ます。そうならないように、本番と同じ会場で受けられる模試などでふだんとちがう環境に慣れておくことが大切です。

時間内に答える

③の「時間内で解答する力」をつけるには、解けそうな問題と解けなさそうな問題を早めに判断できるようにする必要があります。例えば「大問1問を10分考えてわからなかったら飛ばす」などと、自分の中で決まりごとにするとよいでしょう。夏休み前までは、時間を決めずに解けるまで考えてきましたが、それ以降は、時間の使い方を意識した勉強法に切りかえます。

いまの力を確認

④の「成績表から現在の力を確認」すると、合格可能性を見て喜んだり落ちこんだりすることもあるでしょう。本番までよい成績を取り続けるのは、ほんの一部の人です。多くの人は、よいときも悪いときもあり、偏差値が7ポイントほど上下するといいます。算数で計算をミスしたり、社会の小問を答えられなかったりしただけで、1ぐらいかわってしまうのです。「合格可能性の数字は、思ったほど大きなかべにはならない」と広野さん。

6年生はこれから、一般の模試に加え、志望校ごとに分かれた「志望校別模試」を受ける人もいます。模試によって受ける層がかわるため、偏差値が大きくかわることも少なくありません。「志望校との『距離』は、1回の成績で判断せず、複数回の平均でとらえてください。不安になったら、塾の先生とよく相談するとよいでしょう」

【朝日小学生新聞2017年9月17日 掲載】