中学受験 願書の準備 「ネット出願」を上手に活用

受験する学校を決めたら、出願(願書を出すこと)の準備に取りかかります。近年は、インターネットでの出願が増えています。お兄さんやお姉さんが受験を経験した家庭では、当時と状況がかなりちがっているので注意が必要です。最近の様子を、早稲田アカデミー中学受験部長の千葉崇博さんに聞きました。(今井尚)

手間を軽減 直前も可能に

近年増えている「ネット出願」。紙の願書の提出をやめ、インターネット上のフォームに入力し、受験料などを決済するシステムが広まってきています。調べてみると首都圏ではネット出願を採用する学校数が2年前の7倍ほどに増えています。いわゆる「上位難関校」でも、採り入れるケースがあります。

こうしたことからもわかるように、願書は近年、かんたんなものになる傾向です。「志望理由」などの記述や「通知表」「調査書」も求めない学校が増えてきています。昔のように学校に出向いたり、書店で購入したりして、長い時間をかけて願書を仕上げるスタイルは、少なくなっていくものと思われます。

ネット出願で、どんな変化が起こるのでしょうか。

これまで願書は、下書き用と書き損じたとき用など準備段階で2部用意するのがふつうでしたが、ネットになると、そもそも「願書」が不要になりました。また出願は、金融機関の営業時間や複数の学校の願書受付時間を意識しながら「一日がかり」でしたが、ネットでクレジット決済を使うことで便利になりました。

最新の出願状況やそれまでの自分の入試結果をもとに出願校を決められるようになったことで、同じ試験日の複数の学校に出願する「ダブル出願」も減りました。ただ、中高生時代は人間形成においてとても大事な時期。多少の倍率の高低に左右されることなく、自分が本当に行きたい学校に出願してほしいです。

願書のひかえを忘れずに

願書をめぐり相談が多いのが志望理由の書き方です。内容によって合否に大きく影響することはありませんから、それほど心配しなくてよいと思います。ただ、事実に反することを書くのはやめましょう。行ってもいない文化祭に「行った」などのうそは、よくありません。

ネット出願のトラブルとしては、通信障害や二重送信、まちがえた内容の送信などが考えられますが、あせらずに学校に連絡すれば問題ありません。顔写真についてはデータで送信する学校もあれば、書類へ貼り付け当日持ちこむ学校もあるので注意しましょう。

盲点はプリンターです。送信後の書類を印刷する場合が多いので、インク切れなどに注意しましょう。いざというときはコンビニでプリントできるサービスもあります。ネットであれ紙であれ、提出した願書のひかえ(コピーやプリントアウト)はとっておきます。

あらゆる事態を想定

今後は最終的な受験校を固めていく時期です。第1志望校に合格することが一番ですが、万一の事態に備え、さまざまなシナリオで受験計画を立てましょう。受ける可能性が少しでもあれば、出願準備を進めておくことが大切。場合によっては、前日出願、当日出願が必要になる可能性もあります。

同時に、ある程度の現金も用意しておきましょう。合格した学校に納める入学金や延納金が期限に間に合わないと、入学資格を取り消されてしまう場合もあるからです。

【朝日小学生新聞2017年10月29日 掲載】