宇宙飛行士や新大統領も要チェック 時事問題対策のポイントは?

2018年度の中学入試にむけて、より本番を意識した勉強に取りかかる時期になりました。社会や理科で出題される時事問題対策がその一つです。来春の入試で取り上げられそうなテーマを例に挙げながら、勉強するときのポイントを解説します。(編集委員・大島淳一)

大きなニュースの固有名詞

時事問題の出題は大きくわけると、二つのタイプがあります。
 一つは大きなニュースや出来事について、名称や「主人公」となる人・事象などの固有名詞を直接問うタイプです。この春の入試の場合、東京・開成中などが16年の夏におこなわれた東京都知事選挙で当選した人物(小池百合子さん)の名前を記述させたのが、その典型例。東京・学習院中等科などが16年のノーベル医学生理学賞に選ばれた大隅良典さんの研究テーマ「オートファジーのしくみ」(細胞のなかで自分自身のたんぱく質をリサイクルするしくみ)を取り上げ、その内容を答えさせたのも同じタイプの出題といえそうです。
 来春の入試にむけておさえておきたい人物が「金井宣茂」さん。国際宇宙ステーション(ISS)に長期間、滞在する予定の宇宙飛行士です。大統領選挙がおこなわれ、新たに就任したフランスの「エマニュエル・マクロン」さん、韓国の「文在寅」さんも確認しておくのがよさそうです。

出来事に関連する内容問う

もう一つが、ある出来事を「入り口」にして関連する学習内容を問うタイプ。最近の時事問題はこうした出題が主流で、一歩ふみこんだ勉強が求められます。「天皇退位の特例法が公布」を例に挙げてみます。
 まずはこのニュースを簡単におさらいします。天皇陛下の退位を実現する「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が6月に公布されました。退位が実現すると明治以降では初めて、江戸時代の光格天皇以来、約200年ぶりです。
 おさえておきたいのが憲法による天皇の規定。明治時代の大日本帝国憲法は天皇が定める「欽定憲法」という性格でした。天皇は国の元首であり、天皇主権の原理が示されていました。
 太平洋戦争(第2次世界大戦)後の1946年11月3日に公布、47年5月3日に施行されたのが日本国憲法。大日本帝国憲法とは異なり、国民が定める「民定憲法」です。第1条では「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と規定し、その地位は主権をもつ「国民の総意に基づく」と定められています。
 入試ではこうした部分からの出題がめだち、今春は千葉・市川中などが大日本帝国憲法の主権者として「天皇」と記述。埼玉・栄東中などは第1条の条文に空欄を設けて「象徴」と答えさせました。
 憲法そのものもマーク。とくに注意したいのが改正について定めた第96条です。国会による改正の発議には衆議院と参議院それぞれの議院の総議員の3分の2以上の賛成が必要。承認には国民投票などで有効投票の過半数の賛成が求められます。
 入試では第96条に規定されている数字などがよく問われ、今春は奈良・西大和学園中や大阪・清風南海中などが出題。「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」「承認には(中略)過半数の賛成が必要」といった部分を正しくおぼえておくことが欠かせません。

【朝日小学生新聞2017年9月3日 掲載】