意外に短い秋以降の過ごし方 大事なことだけ着実に

もうすぐ夏が終わります。受験を考える6年生にとっては、ますます受験へ向けて機運が高まっていく時期です。どんな心構えで秋以降を過ごしたらよいかをあらかじめ知っておくと、心の余裕が生まれます。栄光ゼミナール入試サポート部の山中亨さんに聞きました。(今井尚)

受験まで三つの時期にわける

一口に「秋以降」と考えるのではなく、受験までを大きく次の三つの時期にわけて考えましょう。①9~10月(秋の前半)は今まで習ったことの復習をする時期②11~12月(秋の後半)は総合的な力をつけていく時期③冬休み以降は最終的な確認をする時期、です。

受験生の多くは、夏までに6年生までの学習内容をひととおり終了しているのが一般的です。この夏、6年生のみなさんは、これまでに習った内容のうち、身についていない「穴」の部分をうめる学習をしてきたのではないでしょうか。

ただ実際には、穴をすべてうめきれなかった子も多くいるでしょう。一度は穴うめした部分を、もう一度見直し、全体的にならしていく学習をするのが9~10月だと思ってください。次に、11~12月は志望校に向けた、より具体的な学習に移っていきます。入試の出題に特徴があるなら、それに合わせた学習が必要になるでしょう。

冬休み以降は、新しいことを覚えるよりも、対策のし忘れがないか、確認していく時期です。
こうした時期ごとのちがいがあることを、まず頭に入れて過ごしましょう。 9~12月は毎月、模擬試験(模試)が行われます。結果もどんどんもどってきます。合格可能性が示されると、保護者はその数字にあせりを感じ、右往左往しがちです。合格可能性を上げることばかりに目が向き、弱点を見きわめることなく、いろいろな課題を子どもに押しつけるのはさけるべきです。子どもが時間に追われてしまい、やる気を失ってしまうケースもあるからです。

模試を受けた後は、数字におどらされることなく、まちがえたところを見直します。復習にあてる時間をとることが大切です。
また、この時期の復習には優先順位があります。多くの子どもが正答している問題でまちがえたのなら、優先してそこを復習すべきです。ただ、多くの子がまちがえている問題を誤ったのなら、後回しにしてよいでしょう。時間は限られています。正答率まで見きわめた上で、復習しましょう。限られた時間をどう使うか、塾の先生とも相談した上での対策が大切です。

過去問は計画的に取り組む

もう一つの対策が、志望校の過去の入試問題(過去問)です。過去問を解き始めるタイミングは、復習にめどが立った段階です。中には、夏の間に十分復習できたから、9月から過去問に取り組む人もいるでしょうが、あせって始める必要はありません。10月末か11月が一応の目安ですが、塾の先生らと、よく相談して決めるのがよいでしょう。

過去問の取り組み方は塾や保護者の考え、出題に特徴のある学校かどうかでも、ちがいがあります。秋は実は15週間ほどしかありません。「第1志望校の過去10年分」などと目標を立てると、ただ過去問をこなすだけの日々になってしまいます。
たとえば、第1志望校は過去5年分、第2志望は3年分、第3志望は1年分とし、1週間に1校ずつ取り組めば、11月から始めて1月までには終了できます。秋は必ず計画を立てて過ごすこと。これが共通していえることです。

【朝日小学生新聞2017年8月20日 掲載】