中学入試 国語の読解問題 物語文や説明文をどう読むか

中学入試の国語の読解問題は、おもに「物語文(小説)」と「説明文(論説文)」が題材になります。今春の入試では、どのような作品がよくとり上げられたのでしょうか。それぞれについて調べてみました。夏休み中に読んでみると受験に役立つだけでなく、読書の楽しさも味わえるにちがいありません。(編集委員・大島淳一)

物語文 家族の結びつきが主流

2017年度の入試で複数の学校がとり上げた作品のひとつが『大きくなる日』です。長男の太二の成長を軸に、4人家族の歩みを九つの短編で描いています。

東京・学習院女子中等科や埼玉・立教新座中が題材にしたのが「四本のラケット」という話です。テニスの強豪校である中学に進んだ太二はテニス部に入部。コートを整備するのは太二たちの役割で、「グーパーじゃんけん」で人数が少ない方の部員がその仕事をすると決めていました。ある日、部員のひとりをわなにはめ、ひとりでコート整備をさせることに……。重苦しい気持ちで帰宅した太二と、サラリーマンをやめて豆腐屋ではたらく父親が晩ご飯を食べるシーンなどからの出題でした。

共通するのが父親がつくったマーボー豆腐を食べる場面からの出題。太二が悲しくなって顔をふせた理由について学習院女子中等科が記述、立教新座中は選択式で答えさせました。
大阪・近畿大学附属中もこの話から出題。内容を正しくとらえる力を問い、指定字数で適語を書きぬく問題などが出ました。
登場人物の気持ちの動きを問うのは物語文の定番。学習院女子中等科では素材文に傍線を引き、「そのときの気持ちを説明しなさい」という問題を10題以上、出しました。

17年度の場合、物語文では『大きくなる日』に代表されるように家族のきずなや結びつきに焦点をあてた作品がめだちました。神奈川・慶応湘南藤沢中等部などが題材にした『家族シアター』も同じタイプといえるかもしれません。

説明文 難易度高い文章を理解

説明文のテーマは例年、多岐にわたり、その出典もさまざまです。同じ作品が同じ年度の入試で数多くとり上げられるという例はそう多くはありません。

そんななか、この春の入試では『植物はなぜ動かないのか』から出題した学校が複数ありました。そのひとつが東京・学習院中等科です。競争に弱い雑草のオオバコを解説した部分を出題。文章を読み取ってオオバコのつくり(構造)の特徴を答えさせたり、筆者の主張を記述させたりしました。漢字の書き取りを含む計10題のうち、4題が記述式で答える問題でした。

説明文では、ふだんの生活ではほとんど使わない言い回しや難しい語句が出てきて、その内容が「何」をたとえているかを答えさせたり、本文中に空欄を設けて、その部分に合う語句(言葉)を選ばせたりする問題がよく出ます。今春の入試で『学びとは何か』を題材にした千葉・昭和学院秀英中などがその典型。難易度がやや高めの文章であっても、文意を正しくとらえる力が求められます。

【朝日小学生新聞2017年7月23日 掲載】