中学入試 2018年度の動向 共学化や新タイプの入試に注目

2018年度の中学入試に向けて、いろいろな動きが明らかになってきました。共学化や新たなタイプの入試の導入、教科(科目)の変更……。こうした動きをおさえることは志望校の選択はもちろん、「合格」に近づくためには欠かせません。おもな動向を紹介します。(編集委員・大島淳一、山本朝子)

八雲や青学横浜英和が共学

来春から共学になる学校の一つが東京・八雲学園中。英語を中心にしたグローバル教育に定評がある女子校です。少子高齢化がさらに進むこれからの社会では男女が認め合い、力を合わせて働くことが欠かせない。将来のリーダーを育てるには若い世代の男女がたがいに理解することが求められる――。こうした考えから共学化するそうです。

中学3年次に2週間、全員がアメリカで研修をするグローバル教育や、クラスの担任とは別の先生が一人ひとりの生徒に対応するチューター制などが同校の特徴。来春は計5回の入試を実施し、計144人を募集します。2月1日の午前入試と午後入試で計70人、2月2日の午前入試と午後入試で計50人。この4回は「2教科(国語・算数)・4教科(国語・算数・理科・社会)」の選択制です。2月5日の入試では24人を募集。国語・算数・英語から1教科を選び、さらに自己表現文で合否が決まります。

東京・文化学園大学杉並中も来春から男子の募集を始めて共学に。八雲学園中と同じように「男女協働」に重きを置き、どのような環境でも力を発揮できる人材を育てたいといいます。

入試の回数は2017年度と同程度の見こみです。17年度は2月1日から4日にかけて「適性試験」が2回、「2教科・4教科の選択制」が5回など。18年度は算数だけの入試も新たにとり入れる考えで、計140人程度を募集します(男女を半数ずつ)。くわしい情報は7月ごろに示される予定です。

16年に青山学院大学の系属校になった神奈川・青山学院横浜英和中でも来春から男子の募集を開始。正式な募集要項はまだ公表されていませんが、入試の対象となる教科などに変更があるかもしれません。

青山学院大学への進学を希望する場合、16年度以降に入学した生徒は大学が定める基準を満たせば全員が推薦。高校での3年間の成績や学力試験の結果、人物の評価などが要件です。

白陵は試験時間など変更

新しいタイプの入試をとり入れる学校もあります。東京・共立女子中は「インタラクティブ入試」を2月3日の午後に導入。ゲームや対話などを通して、英語の理解力や英語を用いての行動力をみる「英語インタラクティブトライアル」(40分程度、100点満点)と、計算力など基礎的な力を確認する「算数」(30分、50点満点)で評価。募集定員は20人です。

京都・京都女子中ではA入試を変更。難関国公立大学などをめざすⅢ類、国公立大学や難関の私立大学などをめざすⅡ類で、出願時に4教科型か3教科型(国語・算数・理科)を選ぶようになります。

3教科ではⅢ類、Ⅱ類ともに国語・算数・理科それぞれ100点の計300点満点を3分の4倍した400点満点で選考。4教科の場合、Ⅲ類では①国語・算数・理科・社会それぞれ100点の計400点満点の結果、②国語・算数・理科それぞれ100点の計300点満点を3分の4倍した400点満点に換算した結果で点数が高いほうを採用して選考します。Ⅱ類では3種類の結果の出し方をとり入れ、いちばん点数が高い結果で合否を決めます。

兵庫・白陵中では前期入試で試験時間などを変更して国語70分(120点)、算数70分(100点)、理科70分(100点)に。これまで一次と二次があった算数は一本化、前半の3分の1程度が一次(答えのみを問う)、残りが二次(答えだけでなく、考え方や途中式も問う)に相当します。

校長にも目配り

志望校を考えるとき、視野に入れたいのが校長先生の存在。その個性は校風に影響をあたえ、さまざまな取り組みもリードします。

首都圏の学校で好例になりそうなのが神奈川・洗足学園中です。この春に退任した前田隆芳・前校長の手腕は同校を難関校の一つにしたともいわれています。

特に有名なのが「模擬国連」。世界の高校生や大学生が参加し、ある国の大使として紛争や難民の支援など国際問題について話し合い、解決策を見いだします。英語の力だけではなく、交渉術をはじめ社会に出てから役立つスキルを身につけられるといいます。その一方、生徒一人ひとりに寄り添う姿勢を重視、洗足学園中の「いま」につながる土台が築かれました。

バトンを引き継いだ校長先生がいる学校はもちろん、私立の各校は2020年度からの大学入試改革を念頭に置いた改革などに積極的に着手するところがめだちます。こうした視点も学校選びの要素になりそうです。

【朝日小学生新聞2017年5月28日 掲載】