中学受験 どうサポート? まずは子どもの状態を見極める

中学受験を目指す子どもを、保護者はどうサポートしていけばいいのでしょうか。多くの保護者や子どもの学習相談にのってきた早稲田アカデミー中学受験部門の責任者である千葉崇博さんにポイントを聞きました。(高見澤恵理)

目標を確認、大らかな心で

中学受験に向けて、まずは「子どもの成績が、親の子育ての成果ではない」と心にとめてください。
思ったように成績がのびず、「やり方がまちがっているのだろうか?」となやむ保護者も多くいます。しかし、小学校高学年は、体と心の成長が著しい時期です。赤ちゃんが寝返りを打てるようになる時期に個人差があるように、勉強面で成果が出るのも人それぞれなのです。

まずは、子どもの状態を見きわめることが必要です。その際に、確認すべき五つのポイントがあります。

①目的・目標があるか
②勉強する意欲があるか
③正しいトレーニングが受けられているか
④精神力は強いか
⑤親子のコミュニケーションができているか、

です。子どもがのびなやむ場合、いずれかに課題(エラー)をかかえているケースが多いです。


具体的に見ていきましょう。
の目的・目標は、「なぜ中学受験をするのか」が子ども自身にとって明確でない場合です。

の勉強の意欲は、反抗期で親に反発して気持ちが向かわない、といったことがあります。これらの場合、子どもが目指すゴールを親子で改めて話し合い、確かめ合うことが大切です。親子の会話が難しければ、塾の先生との面談でやる気を起こすなどの工夫をしましょう。

の正しいトレーニングは、塾に任せる部分です。ただし、通っている塾が子どもに合っているかどうか、子どもの状態を見たり担当の先生と話したりすることも大切でしょう。

の精神力は、失敗することできたえられます。毎週の確認テストで成績がふるわなくても、そこで弱点を見つけ、まとめのテストで改善されていればいいのです。失敗を次にどう生かすか、おおらかな心で見守るようにしましょう。

最後にある親子のコミュニケーションは、「親が見てくれている」と子どもが感じることが大切です。たとえば、リビングで子どもが勉強していたら、「がんばってるね」と声をかけてください。子どもが努力している時間や空間を、親も共有しましょう。そして、小さな変化を見のがさないことも心がけましょう。テストの成績が数点でも前回より上がっていたら、積極的にほめてください。

一方で、注意すべき時は、「何がだめなのか」「どうすべきか」をきちんと指摘します。「だめ」「できないの」と、否定の言葉では子どもは納得しません。テレビをずっと見ていたら、責めたり追いこんだりするのではなく、「時間を決めて見よう」と行動をうながします。問題を解決するための方法を大人が示し、子どもの力を高めていくことが肝心です。

生活習慣も整える

生活面でのサポートも欠かせません。まずは子どもの適切な睡眠時間を把握しましょう。睡眠時間は、短くても大丈夫な子もいれば、そうでない子もいます。短時間睡眠でも、夜おそくまで勉強するより朝早く起きて取り組むなど、生活習慣を整える必要があります。
中学受験は、第1志望の合格を手にできないこともあります。ただし、多感な成長期の失敗や挫折は必ず力になります。親が子どもの言葉を信じて前向きに構え、子どもが努力する姿を支えることで、受験を乗りこえていってください。

【朝日小学生新聞2017年5月21日 掲載】