特徴おさえ、志望中学選び

「朝小進学情報室」は中学受験はもちろん、特色がある中学の取り組みや大学も視野に入れた進路選びに役立つ情報を紹介するコーナーです。今回は「中学の種類」。各校の特徴をおさえ、具体的な志望校を考えましょう。(編集委員・大島淳一)

中学は「公立」「私立」「国立」「公立中高一貫校」などにわけることができます。このうち、原則として試験を受けずに入学できるのは地元にある公立中学です。そのほかの中学に入りたいと考えた場合、筆記試験や適性検査などを受けるのが一般的。これが「中学受験(受検)」です。

私立建学の精神に沿う

私立の特徴は「建学の精神」や「教育の理念」を、より明らかに打ち出していることといえます。「こんな人材を育てたい」という設立者らの思いを実現しようと、各校はそれぞれの考えに沿った教育をとり入れています。
男子校や女子校、キリスト教系や仏教系、大学付属校などさまざまなタイプがあり、中学から入学すると6年間の一貫教育を受けることができます。コース制の導入や選抜クラスの設置など、カリキュラムを柔軟に編成しやすいことも特徴の一つです。
 大学受験で成果を出している学校もめだちます。たとえばこの春の東京大学の合格者数をみると、東京・開成が160人でトップ(3月31日現在、浪人生をふくむ)。兵庫・灘や東京・麻布、千葉・渋谷教育学園幕張など上位を占める学校の大半も私立でした。

国立|付属高ない学校も

国立中学は、学校の先生を養成することを目的とする大学の付属学校として教育にかんする研究の場になったり、リーダーを育てるためのカリキュラムが組まれたりしています。私立のように受験対策を前面に打ち出すわけではありませんが、東京・筑波大学附属駒場をはじめ、大学受験の合格実績ですぐれた結果を出している学校も少なくありません。

 学校によっては付属の高校がないところもあり、そうした国立中学に進んだ場合、高校受験に臨むことになります。

公立中高一貫|安い費用、高倍率

公立中高一貫校は、それぞれの学校が特色のある教育に力を入れており、安い費用で授業を受けることができます。大学受験を視野に入れ、生徒の学力アップを目標に掲げる学校も増えています。大学受験でよい結果を出している公立中高一貫校もあり、首都圏や関西地区を中心に人気が高まっています。

4月に開校の神奈川・横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校附属中の場合、659人(男子433人、女子226人)が適性検査にいどみ、合格者は男女それぞれ40人(計80人)。男子が10・8倍、女子が5・7倍という倍率でした。また、大阪府立でははじめてとなる併設型の公立中高一貫校で、今春に開校の府立富田林中は563人(男子250人、女子313人)が受検。合格者は男子が54人、女子が66人(計120人)で男子が4・6倍、女子が4・7倍という「せまき門」でした。
このように倍率が高い学校が多いうえに複数の公立中高一貫校を受けることはできません。第1志望校とするときは、私立などの併願校を考える必要があるかもしれません。

公立|多様な生徒集まる

いろいろな環境で育った生徒が集まることがいちばんの特徴。周りから刺激を受けることで、精神的な成長が期待できそうです。自宅からそれほど離れておらず、私立などとくらべると通学にかかる時間は短め。行事を通して地元との結びつきも深められます。
小学生のときに受験(受検)をめざして塾に通う必要がないので、時間の制約をそれほど受けず、習いごとに打ちこめるといったメリットもあります。

【朝日小学生新聞2017年4月2日 掲載】