願書の準備 記入と提出のための心得

受験本番に向けて、そろそろ出願に必要な書類の準備にとりかかりましょう。特に願書は、志望動機や長所など、書くのに工夫したい項目をもりこむ学校が少なくありません。準備をする上での注意点を、進学塾「市進学院」小学部担当室の中村哲哉さんに聞きました。(寺村貴彰)

親子でまとめ、一緒にチェック

願書の役割は「受験生が学校に入学の意思を示し、自己紹介すること」と、中村さんはいいます。願書の準備は基本的に「親の役目」。指定された日までに学校に提出しなければ、入学試験を受けることができません。

願書は学校説明会で配られたり、学校の窓口で手に入れたりします。多くの学校では、郵送で取り寄せることもできます。準備するのは「受ける可能性のあるところすべて」。首都圏の受験生の場合、15校をこえることもあるといいます。

多くの家庭で頭をなやませるのが、願書に書く「志望動機」と「長所」です。面接を実施する学校で聞かれることもあるので、必ず子どもといっしょにまとめます。親子の話にズレがあると、コミュニケーション不足と受けとられるおそれがあります。

志望動機は、校風に合わせようとせず「正直に書くのが一番」。長所は書きにくいものですが、短所を親の目線でいいかえるとよいでしょう。ゆっくりしている子は「自分のペースで考えを進める」、集中力が続かない子は「いろいろなことに興味がある」などが、その例です。塾の先生に添削してもらうのも一つの手です。

実際に書くときは、あらかじめ下書き用にコピーを取っておきます。枠内に収まるかを確認しつつ、鉛筆で下書き。ていねいに書くことを心がけます。「時間をかけて書いたかどうか、学校側が見ればすぐわかります。まちがえたら、その部分に線を引く方法もありますが、あまり好ましくはありません」
書き終えたら、家族で最終確認をします。チェックするのは誤字や記入もれがないか、志望動機が共有できているかなどです。

出願するとき、早い受験番号を得るために親が朝早くからならぶこともありますが、「早い番号だからといって加点されるわけではありませんし、それが『受かりなさい』というプレッシャーになる子もいるので、ならぶ必要はありません」。

専用カレンダーで日程を管理

情報収集がいっそう重要になっています。小学校の「調査書」が必要かどうかも早めに確認しておきましょう。「大手塾なら、出願の期間や入試日、入学手続きのしめきり日などを冊子にまとめて配布しているはずです。さらに各学校のウェブサイトをチェックして確認してください」

中村さんの経験によると、受験する家庭の半数が、受験専用のカレンダーを作っているそうです。スケジュールのほか、合格した学校に払う一時金の額なども細かく書きこみます。「『そのとき』になって考え始めると、あわててミスしがちです。入試本番であわてないためにも、事前にきちんとシミュレーションをしておくのが親の役目です」

【朝日小学生新聞2016年10月30日 掲載】