入試モードへ 受験校決定のポイントは

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20160920a_02夏が終わり、受験生は最終的に受験する学校をしぼりこんでいく時期になりました。
早稲田アカデミー教務部長の入吉弘幸さんにポイントを聞きました。
(今井尚)

データや適性で見極める

中学受験をする6年生であれば、この時期すでに、どの学校を第1志望にし、併願校はどうするのか、ある程度、理想のプランをえがいていることでしょう。
でも思うように偏差値がのびなかったり、模擬試験(模試)の判定で思うような結果が出なかったり、現実とのギャップをかかえている人も少なくないはず。その差が全くない人はいないといってよいでしょう。

受験校をしぼりこんでいく作業は、1人ではできません。塾が持つ過去の受験生のさまざまなデータに照らし合わせ、塾の講師ともよく相談しながら進めていくのが一般的です。
これからの時期、模試の合格可能性などの数字はどんどん現実味を帯びたものになっていきます。過去のデータからみて例がないような高い目標設定は、現実的ではありません。

20160920a_039月からであれば、偏差値10くらいなら追いつくことも不可能ではないでしょう。ただ全員ではありません。これまでにどういった取り組みをしてきたか、これからどういう対策をするかで結果は大きく変わります。指導者や周囲の大人の力にも大きく左右されます。
受験には一般的なパターンはありますが、それがすべてとはいえません。「自分の偏差値より5上なら挑戦校、5下ならすべり止め」などという単純なものでは決してないのです。

人にはそれぞれ個性がありますし、入試に対する心がまえ、心のあり方もさまざまです。また各学校には入試の特性があります。さらに入試動向も結果に大きく影響します。
模試は、あくまで過去の入試データに基づき、その時点での学力から合格可能性を予想するものです。来春の入試を考えるには、これまでの傾向をふまえつつ、その人その人に応じた見極めが必要なのです。

何が良い判断かは、家庭の教育方針や中学受験する理由によってもちがってきます。本人はもちろん、保護者や塾の先生がコミュニケーションを密にして判断することが重要です。
たとえ模試の結果が厳しくても、「この子ならチャレンジする価値はある」と判断するケースもあれば、逆に数字上は良い結果が出ていても、「この子には厳しいかもな」と判断するケースもあるのです。

受験校の決定は、いつまでに決めなければならないというものではありません。実際「願書を出すまでは迷うことができる」ともいえます。ただ一般的には9月ごろに大筋の方向性を決め、10月ごろにかけて試験の日程による組み合わせなども加味しながらしぼりこんでいきます。小学校の調査書などが必要な学校は12月ごろには受験を決めなければなりません。

4、5年生は学校見学を

受験を視野に入れている5年生までの人は、まだ時間があります。気になる学校があれば、文化祭などの機会を利用してどんどん足を運んで知るようにしてください。多くの学校を知っていると、実際の学校選びは楽になるはずです。評判はいいけれども、その子には合わない学校もあります。偏差値のデータ、雑誌などの情報だけでなく、自分がその学校に行きたいかどうかを考えてみましょう。

その上で、もし偏差値的におよばない学校にあこがれるのであれば、勉強する環境を整え、目標に向かう計画を立てるようにします。夢が現実になる可能性はぐんと高まることでしょう。

【朝日小学生新聞 2016年9月11日(日)掲載】