受験生のサポート 子に合わせた関わり方を

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子どもを「合格」にうまく導くために、親は何ができるのか――。受験生のサポートの仕方になやむ保護者は多いと思います。多くの子どもとその保護者を指導してきた日能研関西本部運営部長の藤本智之さんに、ポイントを聞きました。(寺村貴彰)

まずは学習環境を整える

「どうすれば成績が伸びますか?」と、藤本さんは保護者からよく聞かれます。子どもによって得意科目や性格などがちがうため、共通する答えはありません。「子どもに応じてサポートの仕方をかえる必要があります」

高学年になると、自主的に勉強する子としない子に分かれます。自主的にする子には、家庭の学習環境を整えるのがポイント。例えばリビングルームで勉強している姿が見えたら、家事の手をそっと止めて、近くで本を読むようにします。「勉強してる?」と聞くより、「私もいっしょにがんばってるよ」ということがやんわりと伝わるからです。

自主的に勉強しない子は、親とともにスケジュールを立てるのがおすすめです。「親だけで決めると長続きしません。細かく時間を決めずに、やるべきことを寝る時間から逆算して配置します。何から始めるかも決めておきましょう」と藤本さん。

勉強場所は、リビングがおすすめです。親からすると目が行き届き、子どもからすると「親が見てくれている」という安心感につながります。たいていの子どもは静かな空間が苦手なので、家事やエアコンなどの生活音があってもかまいません。しかし、「テレビの音や家族の話し声が聞こえてはいけません。自分だけが、のけ者にされていると感じてしまいます」。

あせらず、成長を信じる

20160714_02小学生の学力の伸びは「階段状」です。しばらく停滞してからぐんと伸びるので、成績が伸びなやむ時期は、親はあせりがちです。感情を表に出して、「なんでできないの?」「塾なんてやめてしまいなさい」と言ったり、ため息をついたりしてはいけません。今まで40分かかった問題が30分で解けるようになるなど、急に伸びるときまではイライラせず、子どもの成長を信じましょう。

6年の冬期講習直前、模試の成績になやんでいたある男の子が母親に、「模試の成績とぼくのどっちを信じてるんや。ぼくは絶対に受かる」と話したそうです。成績は直前まで伸び、難関の志望校に合格。母親は自分のあせりからしかってしまいましたが、子どもの宣言に「目が覚めた」といいます。

ほかにも、塾で食べるお弁当づくりや送りむかえは、基本的に保護者の「仕事」です。長期間続くことから根気がいります。また、志望校選びは、子どもと相談したうえで「親が決めるもの」と藤本さん。「学校説明会や体育祭など、子どもが塾で行けないときは、親がメモをとって子どもに伝えてください」

生活面では、ゲームやテレビを禁止されることをいやがる子もいます。親が命令すると反発されがちです。「子どもと話し合い、親と『約束』すれば問題は起きません。どんなことでも話し合うことが最も大切です」

受験が近づくと、緊張や不安から、急にスランプになることがあります。そんなときは「6年生でスランプを体験できるなんてたいしたもの」と伝えるといいでしょう。「スランプは問題を解くことでしか乗り越えられません。今までやってきたことを信じ、家族みんなで力を合わせましょう」

【朝日小学生新聞2016年6月5日(日)掲載】