アクティブラーニング、情報通信技術 進化する21世紀型教育

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中学や高校で、授業がどんどん「進化」しています。注目を集めるアクティブラーニングや情報通信技術教育など、特色ある取り組みを紹介します。 (寺村貴彰、山本朝子)

生徒どうしで学びあい 大阪・関西大倉中

先生が一方的に説明し、知識をつめこむのではなく、生徒が自ら考え、話し合いながら問題を解決する学習方法を「アクティブラーニング」といいます。2020年度から小中高校で順にスタートする新しい「学習指導要領」に取り入れようと、話し合われています。小学生には「調べ学習」などで、親しみがあるかもしれません。

20160501_02中学校でも、アクティブラーニングを積極的に取り入れている学校があります。大阪府茨木市の関西大倉中では、数年前から数学の授業や、職業について学ぶ「キャリア教育」などで、用いられています。

数学の授業では、説明する内容をプロジェクターで映し、先生が説明する時間をできるだけ短くしています。解いた問題について自分の考えをみんなの前で発表し、話し合いを通して理解を深めます。主要教科で生徒にアンケートをとると、アクティブラーニング型の評価が高かったそうです。授業の進み具合もはやまっています。

関西大倉高の教頭、矢野高史先生は、「先生には、はずかしくて質問できない子でも、友だちには聞きやすいようです。わかっている子は、教えることでさらに理解が深まるという、よいサイクルが生まれています」。

2015年度からは、高1のキャリア教育にも活用しています。さまざまな会社から出された課題を半年かけて話し合い、会社の担当者の前でプレゼンテーションします。実社会では予測できないことが起こります。知識を身につけるだけではなく、知識を使った対応力をきたえるのがねらいです。

20160501_03初めて取り組んだ去年は、「家族みんなが幸せになれる資金計画」(金融会社の「SMBCコンシューマーファイナンス」)、「外国からきた旅行者に、ぜひ体験してほしい日本の魅力を提案せよ!」(旅行代理店の「日本旅行」)など、14の会社から正解のない課題が出されました。6月に3~4人でチームをつくり、月1回ほど「情報」の授業時間などを使って話し合ったり、実際に会社を訪れて職場の人と意見を交わしたりしました。

今年3月に大阪市の商業ビルで行われた発表会では、日本の魅力を提案するアイデアとして、外国人旅行者に「日本のアニメが見られる場所をつくる」「すしをにぎる体験を」などの案を出したところ、会場が盛り上がったそうです。矢野先生は「先生ではなく、生徒が主役の授業づくりが求められています」。

海外の大学進学視野に

アクティブラーニングもふくめ、「21世紀型の教育」といわれる取り組みに力を入れている学校もめだちます。東京都内にある学校を調べてみました。

工学院大学附属中のハイブリッドインターナショナルクラスは、理科や数学も英語で学ぶ教育を導入。「イマージョンプログラム」ともいい、その言語にどっぷりつかって身につけるという意味です。

今春の入試で、思考力や表現力を記述式で問う「思考力入試」を行った共立女子中は、グループワークなどを取り入れた授業でアクティブラーニングを実践しています。三田国際学園中は英語でのアクティブラーニングを進め、生徒が1人1台iPadを持ち、ICT(情報通信技術)教育にも熱心です。

一方、「御三家」の一つといわれる武蔵中は、将来、海外の大学へ進学するための道を整えています。海外進学担当の専任教員が情報を提供し、出願書類の準備を支援。海外の大学に直接進学した生徒には審査のうえ300万円を限度として初年度納付金を、海外の大学進学を志す生徒にも100万円を限度として準備金を給付する制度があります。
これからの学校選びには、「特色ある教育」も視野に入れて考えてみるのがよさそうです。

【朝日小学生新聞2016年5月1日(日)掲載】