公立中高一貫校の「適性検査」 求められる「考える力」

公立中高一貫校は中学進学の際の選択肢として定着してきています。大学の合格実績も伸びています。入学のための「適性検査」は、私立や国立の中学入試問題とは性質がちがい、主に「考える力」が求められます。(岩本尚子)

注目される大学の合格実績

中学に進む時に6年間の一貫教育が選択肢の一つになるようにと、文部科学省が1999年に新たな制度を打ち出し、昨年度までに194校の公立中高一貫校が設置されました。生徒の個性や創造性を伸ばすことをねらい、学習指導要領の範囲をこえて特色ある教育が行われています。

大学の合格実績も注目されています。東京大学の合格者数ではこの春、千葉県立千葉高校が32人、東京都立小石川中等教育学校が14人などとなりました。
種類は三つあります。「中等教育学校」は中学と高校が一体となっていて、高校からの募集はありません。「併設型」は高校から入学する生徒もいますが、中学から高校へはそのまま進めます。この二つは入学時に適性検査で選抜されます。

もう一つの「連携型」は公立の中学と高校が授業や部活動などで交流するもので、中学での選抜はなく、中学から高校へは簡単な面接などで進めます。
いずれも公立なので、中学にあたる3年間の授業料は無料です。高校も公立とほぼ同額で、私立に比べて教育費は安くなります。

読み解く力、新聞でつける

入学者を選ぶ「適性検査」は学力検査ではないため、私立中学入試とちがって細かな知識は問われませんが、小学校で学習する基礎力は定着させておく必要があります。その上で求められるのは「考える力」です。

朝小で「公立中高一貫校合格力講座」を連載している早稲田進学会の大島茂塾長は、初めて見る資料を読み取る「読解力」、それをもとに考えを深める「論理的思考力」、得られた結論を的確に伝える「表現力」が必要だといいます。

適性検査で与えられる資料は、小学生にとって初めて見るようなものです。でも、教科書にのっていない「ODA」「指数」といった言葉は、読み進めればわかるように書かれています。

大島さんは「まずは親子で過去の適性検査を見て、求められるものを知って」とすすめます。ふだんからできる練習方法を二つ、紹介してもらいました。
一つは新聞の切り抜きです。毎日届く新聞の中から好きな記事を切り取ってノートなどにはり、思ったことを書きます。「記事に限らず広告でも写真1枚でも、相撲の番付表でもいいです。初めて見たものから考えを形成する訓練になります」

もう一つは「思ったことノート」です。その日に感じたり考えたりしたことを書きます。「日記ではないので、起こった事実は書かなくてもいいし、人に見せなくていい。心のふたを開け、言葉にする訓練をしましょう」

適性検査で求められる力は、2020年度からの新しい大学入試制度で求められる力と共通しています。「もしも合格という結果が得られなかったとしても、考える機会を持つことは、必ず次につながります」

【朝日小学生新聞 2016年5月11日(日)掲載】