英語で学ぶ「本物の音楽」

関西学院千里国際中等部(大阪府箕面市)

小中学校の特色ある取り組みを紹介する「がっこう新時代」。初回は、関西学院千里国際中等部(大阪府箕面市)の音楽の授業です。一つの楽器を長期間練習するなど、海外の教育プログラムで目当てとする「本物にふれる教育」を重視しています。説明は全て英語で行います。 (中田美和子)

2年かけて同じ楽器を練習

音楽の授業は「Strings(弦楽)」「Band(吹奏楽)」「Chorus(合唱)」の三つから好きなコースを選びます。各コースともレベルは3段階あります。

中等部1年の秋から2年間、楽器は基本的にずっと同じものを練習します。高等部でも選択すれば、合わせて5年です。フィリピン出身で弦楽担当のヴァーノン・ヴィラパンド先生は「生徒だから中途半端でいいとはしません。芸術としてプロのような演奏ができるよう求めます」。

中等部2年生を中心にした弦楽の初心者の授業をのぞいてみました。弦を調整し音程を合わせたり、指のおさえる位置を確認して楽譜に書きこんだり。先生が来る前からそれぞれ準備に余念がありません。

「Do they sound the same?(音は同じかな?)」「Not in tune.(合ってないね)」。授業は全て英語です。聞き取れないと、わかる子が周りから日本語で説明します。

しめくくりは6月の演奏会で弾く曲の合奏です。楽器を始めてまだ半年あまりですが、息のあった音色がひびきます。「Sounds good! Thank you.(いいね! ありがとう)」

音楽の授業は週2回、昼休みをはさんであります。時間はコースや日によってまちまちです。この日は1時間以上通して続きました。

ビオラを弾く福田綾さん(中2)は「普通の中学校ではできない経験。音楽が好きなので、演奏できる楽器が増えるのはうれしい」といいます。高校から留学しようと考えている八田大嗣さん(中2)は「英語は1年の秋ぐらいからだんだんわかるようになってきた。一生懸命聞こうとするから覚えます」。

海外に通じるプログラム

同校は高等部との一貫校です。中等部は一般の生徒、海外からの帰国生ら239人です。

同じ敷地には関西学院大阪インターナショナルスクールがあり、国際バカロレア(IB)=メモ=のプログラムで学んでいます。その一部を採り入れて、中等部の音楽や美術、体育は合同で、基本的に英語で授業を行っています。

受験を中心に考えると、一般的に国語や数学などが主要教科とみなされがちですが、校長の井藤真由美先生は「ここでは主要教科という発想はなく、音楽や美術などもほかと対等な教科です」といいます。

中等部は校内で季節ごとに、高等部は校外のホールで年2回、演奏会を開きます。「先輩の演奏が『こうなりたい』と、がんばる目標になるようです」とヴィラパンド先生。国内外の音楽大学を出て、演奏家として活躍する卒業生もいます。

【国際バカロレア(IB)】
国際バカロレア機構(本部・スイス)が提供する国際的な教育プログラム。3~19歳を対象にしています。16~19歳を対象にしたDP(ディプロマ・プログラム)を終えて試験に合格すると、国際的な大学入学資格が得られます。2017年6月現在、国内の一般の学校でも17校でDPが受けられます。

【朝日小学生新聞2018年4月13日 掲載】