プログラミング教育 適切な指示 すぐ表現できるか

コンピューターに指示をあたえる「プログラミング」。高いAI(人工知能)技術で知られ、小学生向けの教材を開発した会社、プリファード・ネットワークスの代表をつとめる西川徹さんに、どのように学んでいけばいいかを聞きました。(編集委員・沢辺雅俊)

筑波大学附属駒場中高、東京大学、同大学院で学ぶ。プリファード・ネットワークス代表。AI技術で、車の自動運転、ロボット、がんの早期発見などの実用化に取り組む。

想像を自由につくれる 論理的な思考力が必要

――プログラミングを学ぶ意義は何でしょうか。

コンピューターは、機械やロボットなどにつながります。ものすごい速さで計算し、大量の情報を記憶するコンピューターの価値を引き出すには、適切な指示を出す必要がある。その方法がプログラミングです。

――おもしろさは?

ぼくがはまったきっかけは、ゲームをつくりたかったから。4年生のときに入門書を読み、(敵を撃つ)シューティングゲームなどのプログラムを紙に書いていました。プログラミングには想像したものを自由自在につくれるおもしろさと「こう動かせばいいのか」という問題解決のおもしろさの両方があります。

――子どもたちがプログラミング教室などで学ぼうとするとき、親しみやすい「Scratch」が人気です。

Scratchは何でも好きなことができますが、プログラミングを習得するには順を追って学んでいくほうが効果的です。私たちが開発した「Playgram」は基礎から応用まで順番に学べ、プログラミングのいろいろなおもしろさに気づけるように設計されています。ブロックなどで示す「ビジュアルプログラミング」と「テキスト(文章)プログラミング」を交互に見くらべながら学べます。プロも使う本格的なプログラミングにもシームレス(つぎ目なし)でつながります。

――将来はAIがプログラムを書くようになるといわれますが、それでも学ぶべきでしょうか。

たしかにそのような変化が進むでしょう。ただし複雑で高度なことをさせようとする場合、プログラミングを知らないと指示がまわりくどくなる。「息をするように『コード』(プログラミング言語)を書けるか」が重要です。思ったことをすぐ表現できる基礎体力がカギ。算数や数学でも、計算ができないと思考力を発揮する段階に行きつきませんが、それと似ています。

――子どもたちは、どのように学んでいくのがいいのでしょうか。

ドリルのような「やらされる」勉強だと思わないでほしい。新しい世界を切り開く手段の一つなので、きわめていけば、どんどん新しい世界が見えてくる。楽しんでほしいですね。

――保護者は、どうかかわっていけばいいですか。

算数・数学など論理的な思考力を身につけておけば、プログラミングはいつでも追いつけるので、小学生のうちから強制する必要はありません。一方、いま興味を持っているようなら、ぜひ取り組ませてあげてほしいですね。新しい時代に適応するための一つの手段として、プログラミングをとらえてください。

【朝日小学生新聞2020年7月31日 掲載】