図を雑にかいちゃダメ 「正しく」「ていねい」が鉄則

算数の問題を解くとき、数字や図を雑にかいてはダメ――。こう指導されたことがある人も多いかもしれません。問題点は何か、どのような点に注意すればいいのか。難関中学の受験指導にあたる望月俊昭さんに教えてもらいました。(編集委員・沢辺雅俊)

望月俊昭
東京都内の個人塾で小学3年~中学2年を指導。月刊誌「中学への算数」で執筆。森上教育研究所の親向け講座でも講演。

判読できずにまちがいを誘発

――雑な例として、どのようなものがありますか。

数字なら丸い部分を閉じずに書き出しがきちんとしていないもの。数字の最後の部分をとめず、さっと流してしまうと、雑然として、判別しにくくなります。

図の場合、平行のはずなのにそうでなかったり、角度が正しくなかったりするもの。合同なのにそうなっていないものなどです。

――雑にかくことの問題点は何ですか。

①正答を導くためのポイントに気がつかず、発見が遅れて時間をロスする、まちがえる、②「映像」としてとらえられず、頭に残らない、③1点を競う入試で大問の最初の問題でミスをすると、その大問すべてで得点できないことがある。こんな具合です。

入試ではいったん手をとめた問題にもどることがありますが、ぐちゃぐちゃだと、どこまで進んだのか確認するのに時間がかかってしまう。難関中学ほど条件にあう図を自分でかいて解く問題が多いのですが、正しくかけなければ正答を導けません。

――「ていねいに」といわれても、なおせない子も多そうですが……。

たとえば普段の塾でのテストでは時間に追われて「ゆっくりかいていたら終わらない」と思いがちです。でも、実際の入試で、合格する受験生の大半が正解するような問題で計算をミスしたらそれこそ一大事。「合格したければ、自分をかえよう」と心がけてください。

方眼ノートに手がきでまねる

――具体的にはどのように取り組めばいいのでしょうか。

計算では「計算ミス」という言葉を使わないこと。「本当はできるのに」という考え方を捨てます。計算でまちがえた場所を追跡できるように整然とかく。注意が必要な場面ではスピードを落とすなど、自分流のリズムを確立します。

図の場合、フリーハンド(手がき)のときほど、「正しさ」を意識します。ゆれた線であっても長さや角度に注意し、どの点に線を引くのか、平行なのか垂直なのか、線対称かなどに気をつけます。模擬試験でまちがえた問題は、自分がかいた図のどこに誤りがあったのかを必ず確認します。

――家庭で指導する場合の「こつ」はありますか。

2、3年生のうちから図をかく練習をしましょう。1センチ角の方眼ノートなどで、4、5年生の教科書や問題集にある図形問題の図をまねしてみます。最初はフリーハンド、次に定規やコンパスを使い、正しい図かどうかを保護者がチェックするといいですね。

【朝日小学生新聞2019年9月27日 掲載】