この時期からの公立中高一貫校対策 やる気を高め、本番を意識

記述式で答える問題が多いなど、公立中高一貫校の「適性検査」は、私立中学などの出題と異なります。本番に向けて、どのような取り組みに力を入れたらいいのでしょうか。朝日小学生新聞で「公立中高一貫校合格力講座」を連載する早稲田進学会の先生に教えてもらいました。(編集委員・沢辺雅俊)

過去問でパターンに慣れる

細かな知識や解法などが求められる私立・国立中学の対策は苦手な単元を克服する「基礎固め」が効果的。一方、適性検査の出題は多種多様で、知識事項はそう問われません。早稲田進学会の大島茂塾長は「さまざまな問題パターンに慣れるため、どんどん過去問(実際の出題)に取り組んでいくのが大事」と強調します。

取り組みたい過去問は、志望校については手に入るすべての年度が対象。住んでいる都道府県とはちがう自治体で実施された適性検査についても解くのがおすすめです。市販の過去問題集をめくり、気になる問題を「つまみ食い」する程度でもかまいません。

出題のバリエーションはいろいろありますが、適性検査で取り上げられるテーマはある程度かぎられます。たとえば資料の読み取りなら「環境」「人口」「ごみ」「資源」といった具合。他校やほかの地域の出題と似ることがあるので「広い視野」で過去問に取り組むのがよさそうです。

適性検査で求められるのは、正確に読み解く「読解力」、整理・分類する「分析力」、考えを広げる「思考力」、実際に紙に書く「記述力」。これらの回路を確実に身につけましょう。

過去問を解くときは時間をはかることを忘れずに。解くのにかかる時間の感覚をおぼえ、だんだんとスピードアップをめざします。

解けなかった問題はふせんを貼ったり、コピーしてファイルに整理したりするのがおすすめ。本番の1週間ほど前に見直すとき、役立ちます。大島塾長は「『こんなにやった!』と本番の自信につながります」。

本番の作文問題で「くやしかったこと」「失敗から学んだこと」などを問われて面くらうことがないよう、ふだんから自分の心と向き合う練習を重ねておくことも欠かせません。効果的なのが「思ったことノート」です。「どうしてみんなは○○なのか。私なら□□なのに」などと日々の生活で感じたことを毎日200字程度の文章にまとめます。

図形は作って試す

理数問題も時間を決めて過去問に取り組みます。時間内に解けなかった場合でも、すぐに答えを見るのではなく、考えられるだけ考えてから解説を読みこみ、考え方をしっかり頭に入れることが重要です。

また、算数の展開図や図形を転がす問題などは、作って試してみるのも一つの方法です。上田竜夫先生は「やってみることで空間をイメージする力が身につき応用できる」と話します。

大島塾長が力をこめるのは「モチベーション」の大切さです。東京都立の10校の平均倍率(一般枠)は5・6倍(2018年)。本番で読まなければならない問題の分量は膨大で、記述式で答える出題もあります。「絶対に受かる」という気持ちがないと、追いこみの時期や本番当日に、たちうちできないといいます。

やる気を高める効果が期待できるのが、志望校を見にいくこと。実際に目にすることで「あの制服を着て、あのグラウンドで……」と「合格」に向けての気持ちが高まるそうです。

【朝日小学生新聞2018年10月26日 掲載】