記述する力を高めよう 読み手に伝わるように考えを書く

これからの入試では、答えや自分の考えを適切にまとめる記述力が、さらに求められます。朝小でも週1回(木曜日)、「朝小 記述力アップ講座」を連載しています。力を高めるポイントや紙面の活用方法について、連載で先生役をつとめる大手進学塾・市進の藤原康浩さん(国語科責任者)に教えてもらいました。(編集委員・沢辺雅俊)

さまざまな入試で問われる力

いまの大学入試センター試験にかわり、2020年度から実施される大学入学共通テストでは、マークシート式に加えて記述式で解答する問題がもりこまれます。東京大学などは以前から論述を軸とする入試が中心。今春の中学入試では東京・開成中が国語の出題でグラフの読み取りなどをもとに文章をまとめさせました。さまざまな入試で「書く力」が重視されています。

マークシートなどの選択式では、あたえられた枠内に考えがとどまりがちで、新しい発想が生まれなくなるかもしれません。これからは自ら問いを見いだし、解決する「問題解決能力」が求められ、その力を高め、評価するために記述式がもりこまれます。

文章を読み、問題点を見つけるには「要約」するのが効果的です。「要約は苦手」という場合、内容を「箇条書き」にするのもいいでしょう。「箇条書きもちょっと……」というなら「線を引く」ことをおすすめします。本文と設問を読んでからもう1度、本文を読むとき、ポイントとなる文の横に線を引きます。

朝小の連載を利用しつくす

40字と120字の記述

「朝小 記述力アップ講座」は、朝小の記事を題材にして二つの課題を出す構成です。一つは40字以内、もう一つは120字以内で記述。どちらも大学入学共通テストのモデル問題とほぼ同じ字数です。

課題に取り組むとき、「問われていること」に沿って解答するのが重要です。「なぜですか」と聞かれたら「~から。」と理由を答える、「どういうことですか」と聞かれたら「~こと。」と内容を答える、といった具合です。

課題のタイプは大きくわけると、①題材となる記事からまとめる、②自分の意見や考えを書く、③本(やインターネット)で調べて書く、④記事にあるグラフや写真を読み解く、の4種類。いずれも、読み手に伝わりやすい(わかりやすい)ように書くことをめざします。紙面に解答欄がありますが、すぐに書き始めるのではなく、まずは別の紙にメモ書きを。こうした習慣を身につけておくと中学生や高校生になったときにも役立ちます。

「題材となる記事からまとめる」を例に挙げながら、具体的に説明していきましょう。

まず、問われている事柄を記事からぬき出します。そのうえで、文章のつながりがはっきりとわかるように接続詞を使ってまとめます。ふさわしい部分をぬき出すとき、記事のままだと字数が多くなるかもしれません。そんなときは表現をかえたり、接続詞を省略したりして調整します。

抵抗なくなるまで書く

書くことに抵抗がなくなるくらい、たくさんの量を書く――。記述力を高めるポイントはこれにつきます。「毎回、取り組むのはむずかしい」という場合、興味のある記事が題材のときだけでもかまいません。120字以内の記述が大変なら、まず40字以内のほうに挑戦してみます。

「発表編」では、掲載されている読者の解答例と自分が書いたものをくらべてみます。こうすることで「自分のほうがいいな」「この子、すごいな」などと、自分なりに評価できるようになります。

家庭での会話も記述力のアップに結びつきそう。ニュースなどを見て、おたがいの感想を言い合うのが効果的です。言葉にすることで自分の考えが整理され、会話を通じて相手の意見を知ることもできます。

解答欄 こう使おう

書き方のルールもおさえておきます。記述問題のマス(解答欄)の使い方は、作文のときとちがいます。

・冒頭は1マス目から書くようにする
・句読点やかぎかっこ、「っ」や「ょ」のような小さい字も1マス分。これらが行の最初のマス目にきてもかまわない
・指定された字数の8割を書くのが目安。40字なら32字以上、120字なら96字以上
・文字は上手でなくていいが、ていねいに書く

【朝日小学生新聞2018年6月29日 掲載】