楽しく勉強するこつを伝授 「わかる」「ゲーム化」 二つのしかけ

「なかなか勉強に取り組めない」「いま一つ勉強のしかたがわからない」――。こんな小学生が多いかもしれません。勉強のやり方を教える塾「プラスティー」代表の清水章弘さんに、楽しく取り組むこつを教えてもらいました。保護者がサポートするときのポイントも紹介します。(編集委員・沢辺雅俊)

清水章弘
東京大学教育学部・同大学院を修了。「プラスティー」を東京と京都で経営。朝日小学生新聞の姉妹紙、朝日中高生新聞でも高校受験向けのコーナーを連載中。青森県三戸町教育委員会の学習アドバイザーもつとめ、著書は10冊以上。

復習と達成感でやる気アップ

何よりも大事なのが勉強を楽しくするしくみをつくること。それには①わかる(できる)ようにする、②ゲーム化する――。この二つがポイントになります。

まずは①について。勉強で壁になるのは「前はわかっていたのに、いまは解けない」という無力感です。勉強は、予習↓授業↓復習↓テストというサイクルで成り立っていますが、わかるようになるためのかぎをにぎるのが復習。「復習上手が勉強上手」です。

おすすめは「夜10分、朝5分の復習」。4教科の場合、寝る前に1教科あたり2~3分間ノートをながめて「きょうはこんなことをやったなぁ」とふり返ります。翌朝、1教科あたり1~2分間、同様に見直します。

もう一つの方法が、学校で取り組む「復習サンドイッチ」。授業が始まる際のざわざわしている1分間に前回の授業のノートを見直します。授業が終わる直前の1分間もノートを見て復習します。授業を1分ずつの復習で「サンドイッチにする(はさむ)」わけです。

中学受験をめざす家庭では「勉強時間を増やしているのに成績が上がらない」ということがあるかもしれません。効果的なのが「(問題を解く)アウトプットと(テキストなどを読む)インプットを2対1の割合にする」ことです。心理学の研究によると、アウトプット型のほうが効率がいいことがわかっています。

つぎに②のゲーム化。楽しんで取り組めるうえに達成感を得られるのが利点です。家で取り組みたいのが「休み時間獲得ゲーム」。一定の時間を決めたうえで勉強に取り組み、時間内にやるべきことを終えたら、残りを休憩にあてるという方法です。時間を基準にするのではなく、目標の達成を基準にします。早く終えると休めるので、前向きに勉強できます。

声かけに一工夫 乗せ上手な親に

家族がうまく勉強に誘導する一例も紹介します。

子どもに「勉強しなさい!」というと「いまやろうと思っていたのに」と、けんかになることがあります。そうならないよう、聞き方を「いつから始めるの」としてみます。答えた時刻になったら「○時よ」と告げる。勉強を始めなかったら5分後に声をかけ、それでも始めなかったらさらに5分後に告げます。

めざまし時計が鳴っても起きず、数分後にまた鳴る「スヌーズ機能」のようなイメージです。

いま進められている教育改革では、正解が一つにかぎらない問題に対し、論理的に考える力が求められています。家での会話も子どもに「なぜそう思うのか」を話させるようにします。そのときに「そうなのね」「おもしろいわね」と乗せていくのがこつです。

にこにこしながら乗せ上手で、ほどほどに勉強熱心。そんな親が理想なのかもしれませんね。

【朝日小学生新聞2018年6月22日 掲載】