注目の「パフォーマンス評価」「知識や技能使いこなす力」測る

グローバル化やAI(人工知能)の進化――。これからの時代を生きていくには、実際の場面で十分に知識や技能を使いこなす能力が必要です。そうした能力をのばすのに有効なのが「パフォーマンス評価」。今後、学校で広まっていきそうです。京都大学の西岡加名恵教授(教育方法学)に聞きました。(渡辺真理子)

アクティブ・ラーニングを補完

2020年度からスタートする新学習指導要領は、①知識や技能の習得②思考力・判断力・表現力の育成③学びに向かう力・人間性の育成、が三本柱です。特に自ら問題を見いだして解決策を考えたり、新しいものを生み出したりする学習が重視されています。

そのための授業改善の方針として打ち出されているのが、「主体的・対話的で深い学び」(いわゆるアクティブ・ラーニング)。先生が一方的に教えるのではなく、子どもたちが発表や討論などを通じて自ら学ぶ活動のことです。

有効な面もある一方、活動自体が目的になり、深く学べていない可能性や、評価の方法が明確でないことも指摘されています。そこで注目されているのが「パフォーマンス評価」です。

西岡先生は、評価方法などについての文部科学省の検討会に参加してきました。「すでに取り組んでいる先生もいますが、文科省はその動きを加速させたいようです」

「問いを持つ力」を重視

パフォーマンス評価とは、リポートや新聞をつくることや、自分の調べた内容を発表するプレゼンテーションなどを評価するものです。

2枚の写真=左上=は、4年生のAさんがかいた「サクラの観察記録」の変化です。この取り組みでは、「季節によって、木はどう変化するのか」という問いを先生と子どもが共有し、1年間記録をつけました。途中、何度か子ども同士で「どんな観察記録がよいか」と批評し、おたがいのよい点を伝え合いました。

その結果、Aさんの作品は左から右のように内容が深まりました。「仲間や教師のフィードバックによって自分で自分を評価する力がつき、自分で修正していった結果です」と西岡先生。

先生が子どもを評価する際には、作品の傾向を分析し、成功の度合いを示すいくつかのレベルと、対応するコメントを表にまとめた「評価基準表」を用います。これは「ルーブリック」=表=と呼ばれます。

「本質的な問いを投げかけ続けることで、子どもたちに思考・判断・表現力が身についていきます」

家庭では子どもにどんな働きかけをするといいでしょうか。「パフォーマンス評価では『問いを持つ力』が重視されます」と西岡先生は強調します。「お子さんが関心を持つことや疑問を大事にしてあげてください。『おもしろいね』と声がけする、書いたり語ったりするようにうながす、関連のある本をすすめるといったことが有効です」

【朝日小学生新聞2018年5月25日 掲載】