ググッときた記事 友だちとシェア

川崎市立栗木台小学校6年3組(神奈川県)

朝日小学生新聞の連載「よみとき天声人語」でおなじみの杉山美佳先生は、新聞を活用した授業に10年近く力を入れています。担任をしている神奈川県川崎市立栗木台小学校(麻生区)の6年3組をたずねてみました。4月にクラス替えをしたばかりの新しいクラスで、新聞を通して友だちを知る機会にもなっているようです。(編集委員・別府薫)

「人」に注目 熊本地震の紙面

この日の授業のテーマは「新聞と出会い、人と出会う」です。「日本や世界でがんばっている人、乗り越えている人、思いやりのある人、やさしい人、目標や夢、希望に向かっている人、命を大切にしている人、困っている人、地域を大切にしている人はいるかな?」。こんな杉山先生の問いかけに、子どもたちは、最近の朝小からそれぞれ記事を選んでスクラップしました=下記画像参照。

今、みんなが一番関心のあるニュースは、熊本での大きな地震です。畠中梨乃さんは、20日付の1面トップ記事「熊本地震 子どもたちに『安心』を」を選びました。

避難所となった学校のようすのほかに、東日本大震災の被災地の学校との交流を思い出し、熊本の子どもたちがいざというときに行動できたというエピソードなどを紹介しています。なかでも心に残ったのは、宮城県気仙沼市の中学3年生、小山里子さんが、5年前の震災発生時に避難所で「明るいことだけを書く」という編集方針の「ファイト新聞」をつくった話です。
畠中さんは「小山さんみたいに自分たちにできることはないかと考えることが大切なのだと分かった」とみんなに発表しました。

「今」を知り、将来を考える

杉山先生は、新聞には「写真」「記事」「見出し(記事の大切な部分をまとめたタイトル)」の三つがそろっているので、遠い世界の話でも身近に感じることができると考えています。しかも、新聞に書かれていることはすべて実際に起こったできごと。そのために、子どもどうしで話し合いやすいテーマがたくさんあるのです。

「友だちが新聞のどんな部分に心が動いたのか、自分とのちがいもふくめて理解すると、受け入れる手がかりになります」と杉山先生。教室の外の共用スペースには、朝日、毎日、読売の各紙とそれぞれの小学生新聞などを平置きして、いつでも好きなときに紙面を開けるように工夫しています。自主学習、家庭学習なども活用しています。

子どもたちの心に「ググッ」ときた記事は、ほかにもたくさんありました。渡部航大くんが選んだのは「信長の館跡から金ぱくの瓦」(2月21日付)というニュース。妻の濃姫のために計画を変更してまで御殿をつくったのではとあり、「こわい織田信長にもやさしい一面があったんだ」とおどろいたそうです。

山本紅世さんは、コラムを連載中の気象予報士、依田司さんのインタビュー記事(3月31日付)です。「テレビのお天気おじさんになりたいと子どものころから強く願って夢をかなえたので、私もがんばりたいと思いました」

「新聞を通して今を考えることで、将来自分がどう生きていくのか、どんな人間になりたいのかを考えて」と杉山先生は呼びかけます。「どんな仕事につきたいかではなく、どう人の役に立つ人間になって、かがやけるのか。まるごと人生を考えられる子になってほしいです」

【杉山学級の新聞スクラップ法】
① 心に「ググッ」ときた記事を蛍光ペンで囲み、切り抜く
② 記事の一番大きな見出し(タイトル)を書き写す
③ 一番心に残った文章「キーセンテンス」に蛍光ペンで線を引き、書き出す
④ その理由を書く
⑤ 「今日の栄養」として、学んだことを書く

【朝日小学生新聞 2016年4月24日(日)掲載】