夏以降の出来事にも注目 時事問題を得点源にする

2020年度の中学入試が近づいてきました。本番での得点力を高めようと、受験をめざすみなさんは追いこみの勉強に取り組んでいるにちがいありません。その一つに加えたいのが時事問題対策。おさえておきたいポイントを解説します。(編集委員・大島淳一)

台風は風向きと動きを確認

朝小では8月30日付のこのコーナーで「新天皇の即位と新しい元号の令和」「7月の参議院議員選挙」「百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産に登録」などを取り上げ、入試で問われそうなポイントを解説しました。これらのほかにも時事問題のテーマになりそうなニュースがあります。

夏から秋にかけて、日本列島は集中豪雨や台風の被害に見まわれました。8月は九州北部を中心に大雨を記録。9月には台風15号が関東地方を暴風域に巻きこみ、はげしい雨ももたらしました。10月には台風19号が猛威をふるい、関東甲信越から東北地方にかけての河川で堤防の決壊などが発生しました。

こうした出来事に関連して出題されそうなのが、台風の特徴です。

台風の雲はうずまきのような形をしています。中心に向かって強い風が吹きこみ、はげしい上昇気流が生じて垂直方向に積乱雲が発達、大量の雨と強い風をもたらします。中心部では下降気流が生じ、ほとんど雲がなくて風も弱い「目」という部分があります。

上空からみると、地上の近くでは反時計回りに風が吹きこみます(北半球の場合)。台風の進路に対して右側は、台風そのものによる風と台風を移動させる風が同じ向きに吹くことから風の勢いが強まります。

台風は日本列島の南に広がる太平洋高気圧(小笠原気団)の縁に沿うようにして北上する傾向があります。日本列島の近くまで来ると西から東に向かって吹く強い風(偏西風)に乗って、進路も北東寄りにかわります。7月ごろはユーラシア大陸のほうに進み、8~9月ごろは日本列島の近くを通ったり上陸したり。10月ごろになると日本列島の近くまでは来なくなるのが一般的です。

こうした動きになるのは太平洋高気圧の勢いが影響しています。夏の太平洋高気圧は日本列島をおおうように張り出すことから、その縁に沿って台風も北上、秋になると勢いがなくなり、南下します。

ノーベル賞受賞者の業績は

リチウムイオン電池を開発した業績で、2019年のノーベル化学賞が吉野彰さん(旭化成名誉フェロー)と、アメリカの2人の研究者におくられることが決まったというニュースもおさえておきます。

日本人がノーベル賞を受賞すると、理科の時事問題で出題されることがあります。「吉野彰(さん)/リチウムイオン電池」といった具合に、受賞者と業績(受賞理由)の組み合わせを選択させるパターンがめだちます。ここ数年の受賞例もおさらいしておくのがよさそうです。

2018年の医学生理学賞に選ばれたのは本庶佑さん。細菌やウイルス、がん細胞などの異物から体を守ろうとする免疫のしくみを研究し、新しいタイプのがん治療薬の開発に結びつきました。2016年の医学生理学賞は大隅良典さんで、その業績は「オートファジー(自食作用)のしくみの発見」でした。

2015年の医学生理学賞に選ばれた大村智さんは「寄生虫による病気を予防・治療する薬の開発」、同じ年の物理学賞に選ばれた梶田隆章さんは「ニュートリノに質量があることの発見」が受賞理由でした。

2014年の物理学賞には赤崎勇さん・天野浩さん・中村修二さんの3人が「青色発光ダイオードの開発」で選ばれ、2012年の医学生理学賞に選ばれた山中伸弥さんは「iPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製」でした。

消費税率の推移や問題を理解

消費税の税率が10月から10%に引き上げられたニュースも大事です。

ものを買ったり、サービスを受けたりするときにかかる税金が消費税。税率の引き上げに対し、経済に大きな影響が出ないよう、飲食料品(お酒などをのぞく)をはじめ、生活に欠かせない商品などについては本来かけるべき税率を8%のままにすえおく「軽減税率」が導入されました。電子マネーなどでのキャッシュレス決済への「ポイント還元制度」もスタート。税率の引き上げで増える税収は「幼児教育・保育無償化」や、国の借金を減らすことなどに使われるとされています。

消費税が日本で最初にとり入れられたのは竹下登内閣のときの1989年4月で、そのときの税率は3%でした。橋本龍太郎内閣の1997年4月に5%、安倍晋三内閣の2014年4月に8%になりました。

消費税は子どもから高齢者までが一律に負担するので、その点では「公平」ともいえます。しかし、税率が一定のため、所得が低い人ほど所得に対する税負担の割合が重くなる「逆進性」という問題もあります。

税金は一般的に所得が高い人には大きな負担を、所得がそれほど高くない人には小さめの負担を求めています。個人の所得にかかる所得税の場合、所得が高い人ほど税率がより高くなる「累進課税制度」をとり入れています。

入試では、税の種類もよく問われます。上のような図を参考に、主な税金についておぼえておくのがおすすめです。

【朝日小学生新聞2019年11月29日 掲載】