19年度入試の時事問題 頻出事項おさえ、次に生かす

2019年度の中学入試は、関西地区の学校ではひと区切りつき、首都圏では東京都と神奈川県にある学校が2月1日から始まります。今春は、どのような時事問題が出題されているのでしょうか。関西地区や1回目の入試を終えた首都圏の学校を中心にみてみました。(編集委員・大島淳一)

世界遺産や首脳会談、五輪…多様なテーマ

よく取り上げられているテーマの一つが世界遺産。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されることが決まったというニュースを入り口にした出題がめだちました。日本におけるキリスト教の歴史と関連づけた出題が中心。愛知・海陽中等教育学校は日本にキリスト教を伝えた人物として「フランシスコ・ザビエル」、1637年の島原の乱(島原・天草一揆)でキリシタンらが立てこもった「原城跡」をそれぞれ答えさせました。茨城・江戸川学園取手中はザビエルが日本で最初にキリスト教を伝えた場所として「鹿児島」を問いました。日本の世界遺産についての出題も多く、奈良・西大和学園中は九州・沖縄地方にある世界遺産の登録件数、埼玉・大宮開成中は東京都に属する自然遺産を答えさせました。

アメリカ(米国)のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による史上初めての米朝首脳会談を取り上げる学校も多く、会談がおこなわれた「シンガポール」や、その位置を問う出題もありました。埼玉・淑徳与野中では、北朝鮮の金委員長と韓国の文在寅大統領による南北首脳会談を出題。各国の首脳の写真から金委員長と文大統領が並ぶものを選ばせ、非核化の説明で適当なものとして「核兵器廃絶(禁止)条約の国連採択に力を発揮したNGO団体の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)はノーベル平和賞を受賞した」も答えさせました。北海道の函館ラ・サール中は核に対する日本の方針「非核三原則」について「もたず」「つくらず」を示したうえで「もちこませず」を問い、この考えを表明した首相として「佐藤栄作」も記述させました。

韓国の平昌で開催されたオリンピック(五輪)・パラリンピックを入り口に、五輪をテーマにした問題もありました。埼玉・開智中は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたプロジェクトとして、メダルをつくるために使わなくなった携帯電話やパソコンなどを回収する取り組みを出題。千葉・昭和学院秀英中は近代オリンピックについての説明で正しいものとして「1940年のオリンピックは東京で開催される予定だったが、第2次世界大戦のため、実現しなかった」を選択させました。

火山や台風も出題

アメリカ・ハワイ島にあるキラウエア火山など、2018年は火山の噴火が相ついだことから、火山をテーマにした出題もめだちます。その一つが西大和学園中です。

日本の火山とくらべた場合のキラウエア火山のねばりけの大きさ(大きい・小さい)や噴火のようす(激しい・おだやか)、火山の傾斜(ゆるやかな・急な)などを選択式で解答。過去の自然災害の記録などから、その地域で災害が発生したときの被害を予想してあらわした地図として「ハザードマップ」も記述させました。

大阪・大阪星光学院中が出題したのが台風。最も多く発生する場所(日本のはるか南の海上)や発生しやすい理由(海水の温度が高く、海水が蒸発しやすいから)などを問い、台風を上空からみたときの地上付近での風の吹き方(反時計回りに吹きこむ)や、進行方向に向かって特に風が強くなるところ(右側)なども答えさせました。

18年のノーベル医学生理学賞に選ばれた「本庶佑」さんを選ぶ問題も多いようです。

【朝日小学生新聞2019年1月25日 掲載】