首都圏入試の時事問題 コロナ関連 広く問われた

中学入試で出題される時事問題。朝日小学生新聞では1月29日付の紙面で1月までに実施された入試の出題例を紹介しました。今回は首都圏の学校でおこなわれた入試を中心に解説。受験を視野に入れているみなさんは参考にしてください。(編集委員・大島淳一)

新内閣発足/SDGs/猛暑日や豪雨

もっとも取り上げられたテーマの一つが新型コロナウイルス。出題した学校の多くが、発生が報告された国際機関「世界保健機関(WHO)」を問いました。本郷中(東京)では世界的な感染症の流行をあらわすことばとして「パンデミック」を記述、新型コロナウイルスに関連する出来事について、去年の2月末に当時の安倍晋三首相が閉鎖を求めた施設も選ばせました(学校)。豊島岡女子学園中(東京)では職場から離れたところで働く「テレワーク」を答えさせ、特別定額給付金について対象者一人あたりの給付額も問いました(10万円)。

新型コロナウイルスの影響を取り上げる学校もめだちました。

東洋英和女学院中学部(東京)では商品の価格は商品の生産数または輸入数と、販売数の関係で決まるとしたうえで、マスクなどの価格が急上昇した背景を出題。生産数または輸入数が「減少」して販売数が「増加」と答えさせました。政府による支援策を出題した学校の一つが早稲田中(東京)。飲食代金などを補助する「Go To イート」事業を担当する省庁として「農林水産省」を記述させました。

歴史と結びつける問題もよく出ました。巣鴨中(東京)や慶応普通部(神奈川)では天然痘が流行した8世紀前半、仏教の力で国を守ろうと考え、国分寺などを建てるように命じた「聖武天皇」や奈良県にある「東大寺」を記述させました。渋谷教育学園渋谷中(東京)では米騒動やシベリア出兵のようすをあらわす画像類を提示。どのような出来事に関連する資料かをふせたうえで、1918年以降に流行した病気(スペイン風邪)がどのように日本へ伝わったと考えられるかを問いました(例/米騒動を引き起こす原因になったシベリア出兵に加わった兵士が外国で感染して国内に伝わった)。

新内閣の発足もよく取り上げられたテーマでした。開成中(東京)では新たに首相になった人物として「菅義偉」さん、前の首相として「安倍晋三」さんをそれぞれ記述。新しい首相を指名した国会の種類も問いました(臨時会/臨時国会)。内閣に対する正誤問題もめだち、日本女子大学附属中(神奈川)では正しい説明として「内閣は、内閣総理大臣と省庁の長である国務大臣で構成されている」を選ばせました。

SDGsをテーマに掲げる学校も多く、アルファベットがあらわす意味「持続可能な開発目標」を答えさせる出題が典型的。春日部共栄中(埼玉)では「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」「人や国の不平等をなくそう」と四つの目標を示し、日本国憲法が規定する権利のうち、これらの目標と関連がない条文を選択させました(国会は国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関)。

気象にかんする時事問題もめだちました。明治大学付属明治中(東京)は去年8月に静岡県浜松市で記録した国内の最高気温について、もっとも近いものを選択(41度/観測されたのは41・1度で、2018年に埼玉県熊谷市でも記録)。猛暑日の正しい説明も答えさせました(最高気温が35度以上の日)。

九州地方から東日本にかけての広い範囲が大雨に見舞われた「令和2年7月豪雨」も頻出で、大雨が降りつづいた原因として「線状降水帯」を記述させる学校がみられました。

【朝日小学生新聞2021年2月26日 掲載】