どうなる? コロナ禍の中学入試 会場や時間を見直して対応

受験生が安心して試験に臨めるよう、来春の中学入試は各校が新型コロナウイルス対策に力を入れます。会場を見直したり、インターネットを活用する入試を取り入れたり。首都圏と関西地区の中学を中心に動きをさぐりました。(編集委員・大島淳一、沢辺雅俊)

受験生を分散/工夫してネット利用/追試日設ける

首都圏では埼玉県内の私立中学で一般入試が始まる1月10日から本格的な受験シーズンがスタート。この日に実施される栄東中(埼玉)の試験に受験生が集まる傾向があり、今春は6千人以上が臨みました。

同校が対策として挙げるのが会場の分散化。今春も計画されましたが、本校だけでなく、同じ学校法人の中学や高校でも試験を実施する考えです。「第1回入試」については1月10日か1月12日の選択制にし、本校の場合は集合時間に1時間の差を設けて2部制に。一つの教室に入る人数も制限し、それぞれの机のまわりには飛沫防止のアクリルパネルを設置します。

配点や試験時間を見直す学校もあります。江戸川学園取手中(茨城)の「4科目型」を例に挙げると、今春は国語と算数がそれぞれ150点で60分、社会と理科はそれぞれ100点で40分でしたが、来春は国語と算数がそれぞれ100点で50分、社会と理科は計60分で両方を解答する形にします(100点)。今春は昼食をはさんで午後までかかりましたが、来春は12時10分までに終わります。

インターネットを利用した入試をおこなう学校もあります。青稜中(東京)がその一つ。本校での試験とは別に、自宅受験を想定した試験を考えていましたが「試験監督用のシステムが確立されていない」などの理由で東京私立中学高等学校協会が「オンライン入試の自粛」を示したことから変更。受験生を東京国際フォーラム(東京都千代田区)に集め、学校が用意するタブレット端末で国語と算数に解答する「タブレット入試」を実施します。「コロナの感染がいよいよな状況になっても、受験生の挑戦を受けとめられるという姿勢を示したい」と、タブレット端末の活用を決めました。湘南白百合学園中(神奈川)などは帰国生入試で、自宅で受験できるオンライン入試を取り入れます。

フェリス女学院中(神奈川)や早稲田大学高等学院中学部(東京)などでは面接の実施を見送り。開成中(東京)のように、新型コロナウイルスに感染するなどして受験できない志願者を対象に「追試日」を設ける学校もめだちます。

関西地区の学校でもいろいろな取り組みがみられます。シンガポールで帰国生入試をおこなっていた啓明学院中(兵庫)では現地での実施を見送り、神戸市内にある本校での試験に変更。大阪教育大学附属天王寺中(大阪)は1次テストと2次テストをおこなっていましたが、来春は日程を縮小し、1月中旬の筆記テスト(国語・算数・理科・社会)だけを実施します。

関西学院中学部(兵庫)は一般入試(A日程)で予定していた面接を中止。「密」になる状況を避けようとする考えからです。同校では追試日を2月初旬に設けており、関西地区の学校でも同じような措置を想定しているところがめだちます。

日能研関西本部の森永直樹さんは「受験生の健康や安全に留意しながら、各校は入試を実現できるように準備している。受験生は体調管理に気をつけ、勉強のペースを維持してほしい」と話しています。

【朝日小学生新聞2020年10月30日 掲載】