From灘 見えているのは境界面だけ

だんだん暑くなってきましたね。水分補給が欠かせません。さて、紙コップを二つ並べて片方にだけ水を入れます。もう片方には何が入っているかな。何も入っていないって?

いやいや、空気が入っています。

水の入った紙コップをのぞきこむと水が見えますよね。プールだって実際に飛びこまなくても、水が入っていることは一目でわかります。でも空気は見えません。どちらも無色透明という性質は同じなのに、なぜ?

答えは、「私たちは空気の中にいるから」です。水にもぐると、ぼんやりですが水中を見通すことはできますね。さあ、水そのものは見えているかな。見えませんよね。ブクブクと息をはきだすと泡が見えます。泡は空気でできているので、空気がちゃんと見えています。また、水中から水面を見上げると、そこにも空気があることがわかります。

実は見えているのは境界面だけなのです。空気中から境界面を見ると「水がある」とわかり、水中から境界面を見ると「空気がある」と確認できるわけです。

正確にいえば、空気中から見ると「境界面の向こうには空気ではない何か透明なものがある」、水中から見ると「境界面の向こうには水ではない何か透明なものがある」ことだけがわかります。そこに水または空気があるということは知識として知っているので、「水が見えている」「空気が見えている」と感じてしまうのです。今は自粛ですが、真夏には自由にプールに行けるといいですね。

【朝日小学生新聞2020年5月15日 掲載】