From灘  金星の見かけの大きさが変わる

このごろ、日の入り後の西の空に、「宵の明星」として金星が明るくかがやいています。金星がしずむ時刻が最もおそく、明るさも最大になるのが今年は4月中旬で、5月までが見ごろです。

望遠鏡で見ると、金星は月のように満ち欠けをしています。今の時期は図のエの状態。太陽に面した側の半分が光っていて、「半月形」です。地球と金星の位置によって、見かけの大きさが変わり、最大の時は最小の時より直径は約6倍大きく見えます。地球と金星が太陽の周りを回る円の半径は地球を「1」とすると、金星は「0.72」。地球と金星の距離が1-0.72で最も近づく図のカの時に最大に見え、距離が1+0.72で最も遠ざかるアの時に最小に見えます。1.72÷0.28=約6倍という計算です。

どちらも地球から見て、金星と太陽が同じ方向で太陽とともに昼間出ています。その上、特にカは太陽の光が当たらない方が地球側を向いていて、実際にはアもカも見えません。

イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイは、自作の望遠鏡で金星の満ち欠けと大きさの変化を発見しました。これが、太陽や惑星が地球を中心に回るとする「天動説」はまちがいで、地球をふくむ惑星が太陽を中心に回るとする「地動説」が正しいことの一つの証拠であると考えました。昔から多くの人が金星を見ていたはずなのに、ガリレオまでだれもそのことに気づきませんでした。現代でも、身近な自然現象の中に大発見がひそんでいるかもしれませんね。

【朝日小学生新聞2020年2月21日 掲載】