From灘 わかりやすさを意識しながら

今回は、国語の問題で用いられる問い方のちがいに注目しながら、記述力を高める方法について考えたいと思います。

国語の問題ではよく「~を答えなさい」と「~を説明しなさい」という言い回しが用いられますが、多くの受験生は同じものと思いこんでいます。しかし、この二つの問いには微妙なちがいがあります。

「答える」は単に「質問や問題に対して解答を出す」という意味です。一方、「説明する」は「説き明かす」と書くように、「相手によくわかるように述べる」という意味があります。「説明する」のほうが「答える」より内容の「わかりやすさ」に重きが置かれているのです。では、「わかりやすさ」とは何でしょう。

まず考えるべきことは、「だれにとってのわかりやすさか」という問題です。ここでの「わかりやすさ」は、決して解答者(みなさん)や採点者にとっての「わかりやすさ」ではありません。問題文を読んでいない人にとっての「わかりやすさ」です。

次に、「どうすればわかりやすくなるか」という問題です。問題文を読んでいない人が読んでもすっと理解できる解答を作るためには、「これくらいわかってくれるだろう」というあまい考えを捨てて、解答者にとっては当たり前の背景や理由にもふれながら、筋道立てて書かなければなりません。常に「わかりやすさとは何か」と自問自答しながら書く訓練を積み重ねることが、記述力向上の第一歩です。

【朝日小学生新聞2019年12月20日 掲載】