From西大和  数学のルールを決めたのは

2019年もだんだん残り少なくなってきました。たとえば、2019=673×3と計算できますが、これらの計算は9世紀ごろまでにはインドやアラビアで学問の対象となっていました。実はそれより前の時代には現在のような「数」についてのとらえ方はありませんでした。数のない世界でどのように数学(算数)を考えていたのでしょうか。

今から2300年ほど前の紀元前3世紀ごろ、ユークリッドというギリシャの数学者がいました。ユークリッドはタレスやピタゴラスなど多くの数学者たちが発見した内容に自らの研究成果を加え、全13巻の「原論」にまとめました。現在の数学でも使われる証明の方法や、その証明に使うルール(定義)を決めたことから「数学はギリシャで始まった」ともいわれています。その一部を紹介します。

定義1 点の長さは考えない
定義2 線の面積は考えない(長さだけ考える)
定義5 面の体積は考えない(長さと面積だけ考える)

鉛筆で線を引いたとき、引いた線に本当はほんの少しだけ幅があり、面積があるのですが、それを考えてしまうと話がうまく進みませんよね。だからルールが必要だったのです。「原論」は2000年以上もの間、広く読みつがれ、ヨーロッパでは聖書に次ぐベストセラーともいわれます。みなさんの身の回りにもあるルール。その起源をたどっていくと思わぬ発見があるかもしれません。

【朝日小学生新聞2019年10月11日 掲載】