From灘  変わらないけど変わる単位

いろいろな量は、単位を決めてその何倍か、という形で表します。メートルやキログラムは、国や用途によってばらばらだった長さや重さの単位を統一するために、フランスで考え出されました。

最初、北極から赤道までの長さの1千万分の1が1m、1リットルの水の質量(重さ)が1kgと定めました。これをもとに130年前に「原器」と呼ばれる「1mの物差し」と「1kgの分銅」が作られました。さらに、地球の自転をもとに、1日の8万6400分の1を1秒とする、という時間の単位を合わせて、メートル法の体系ができました。

日常的に使う単位はそれ以来変わっていません。しかし、科学の進歩とともに、単位をより精密に決める必要が出てきました。1秒は地球の自転の速さが少しずつ変化することから、基準が原子時計に変わりました。1mも目盛線の幅が問題になるなど原器の精度が十分ではなくなり、現在は不変と考えられる真空中の光速をもとに決めています。

1kgについても、130年間で原器の質量が約2千万分の1変化した可能性があり、基準の変更が検討されてきました。ついに今年の5月、量子力学の理論をもとにした「プランク定数」によって新しい基準に変わりました。

残念ながら、ここでプランク定数まで説明する余裕はありませんが、勉強を進めていく中で、科学と技術の進歩の歴史でもある単位について興味をもってもらえたら幸いです。

【朝日小学生新聞2019年8月30日 掲載】