From西大和 数学も時代超えて継承

平成が終わり、令和の時代が始まりました。明治以降、天皇一代につき元号一つの「一世一元」となり、天皇が皇位を継承することで時代が移り変わってきました。実は日本独自に発達した数学である和算でも継承が続いてきました。「遺題継承」です。

江戸時代初期の1627年に、吉田光由は和算書「塵劫記」を発表しました。吉田は続編をどんどん刊行し、1641年、最後の「新編塵劫記」の巻末に答えや解説のない12題を掲載しました。これが遺題の始まりです。方程式や石積みなどの問題もあり、その考え方は現代の数学でも使われています。

吉田はなぜ問題をのこしたのでしょうか? その理由も巻末にのっています。「世の中には算術の得意な人がいますが、実力があるのか判断することは難しいことです。だから答えのない問題をのせました。本当に得意というのであれば、この問題の解法をまとめ、世の中に発表しなさい」

そう、これは吉田からの挑戦状です。和算家たちは新編塵劫記で力試しをし、さらに自分の作った問題を「遺題」として本に発表していきます。この日本独自の文化は「遺題継承」と呼ばれます。出題される問題が難しくなっていくことで和算は大きく発展していきました。

令和の時代にはどのような数学の問題が解かれ、どのような「遺題」がのこるのか。楽しみですね。

【朝日小学生新聞2019年5月24日 掲載】