From灘 受かるためより生きるため学ぶ

いよいよ受験シーズンとなりました。今年も灘中学校では全国各地から集まった700人をこえる受験生が入試にいどみます。

灘中の学科試験は算数、国語、理科の3教科です。算数と国語は2日間にわたります。国語は1日目が言葉に関するさまざまな知識を問う基礎問題、2日目が文章題をもとに読む力や書く力を試す応用問題が出されます。灘中といえば難解な算数の問題が取り上げられることが多いですが、国語も長い説明的文章から短い詩や俳句・短歌まで、広く深く学習しなければなりません。

文章を読み解く力は、何も国語だけにとどまるものではありません。灘中は算数も理科も問題文が長く、去年は問題文だけでそれぞれ500字におよぶ問題が出されました。問題の前提となる場面設定を読みまちがったり、何を問われているかという出題者の意図を読み解けなかったりすると、いくら考える力があっても正確には解けません。私たちは言葉(日本語)を使ってものを考える生き物です。日本語の力は英語の力に直結するともいえるでしょう。

受験生はどうしても「入試に受かるための学習」に終始しがちです。でも日々取り組んでいる学習や、それによって身につく知識は、日常生活と地続きであり、受かるためというよりむしろ入学後の生き方につながっていきます。

実世界は答えのない問題に満ちています。入試はそうした世界を生きぬくための「からだ作り」なのです。

【朝日小学生新聞2019年1月18日 掲載】