From灘 宇宙空間に出した温度計は?

駅前などにある気温モニターで、1けたの温度が表示される季節になりました。気温は空気の温度であり、温度計で測ることができます。

小学校で使うガラス棒のような温度計を思いうかべてください。温度を測るときには、測りたい相手(空気とか湯とか)の中に温度計を差し入れます。少し待つと、温度計自体の温度が接触している相手と同じ温度になり、温度がわかるわけです。

温度計を真空の宇宙空間に突き出すことを考えてみましょう。温度計は何度を指すでしょうか。物質が何もないなら0度かな。

よく考えてくださいね。接触する相手が存在しないということは、温度計自体の温度は上がりも下がりもしないということです。つまり温度計の表示は変化しない。これが正解です。もし室温20度の宇宙船から外に温度計を突き出したら、20度のままだということです。

しかし、この答えでは見落としていることが一つあって、実は温度計の温度は変化するのです。真空の宇宙空間でいったい何と接触しているのでしょうか。

それは「光」です。宇宙空間には太陽からの光、遠方の星からの光など多くの光が飛びかっています。光は物質ではなく電磁波の一種ですが、電磁波も温度を持っているのです。

光の温度を測ることができるのかって? できるんですよ。その例が「非接触の体温計」です。おでこに近づけてピッと測ります。あれは、おでこが出す光(赤外線)の量から温度を測っているのです。

【朝日小学生新聞2018年12月21日 掲載】