From灘 「オリジナル」との境界は

今回は「オリジナル(独自なもの)とは何か」ということについて考えてみたいと思います。いま、授業で芥川龍之介の『酒虫』を読み進めています。中国の昔の話を下じきに作られた物語です。原作と読み比べるなかで「はたして芥川の作品はどこまでオリジナルといえるのか」という問いに行き着きました。

世の中には、パロディー(過去の作品をからかい、まねて作ること)、オマージュ(過去の作品を尊敬して、まねて作ること)、リメイク(過去の作品を新たに作り直すこと)といった言葉があります。いまや音楽や漫画の作品が、プロだけでなく一般人によっても作り直され、動画投稿サイトなどで発表されることは日常茶飯事となっています。

オリジナルかそうでないかという問題は非常に難しい側面をもっています。「法律(著作権)の専門家にまかせればよい」というのは簡単ですが、すべてを専門家にまかせられないほど、この問題は私たちにとって身近なものとなっています。

たとえば、あなたがある作品のひらがなを1文字かえれば、あなたの作品といえるでしょうか。これは極端な例ですが、では何文字かえればオリジナルな作品といえるのでしょうか。あるいは文字数の問題でないなら、何が基準なのでしょうか。

他の作品からいっさい影響を受けずに作られた作品がないとするなら、オリジナルなものとそうでないものとの境界線はどこにあるのか。作品を読むうえで、みなさんも一度考えてみてほしいと思います。

【朝日小学生新聞2018年10月26日 掲載】