一味ちがう名作の味わい方

暑い日々が続いています。このような猛暑の夏には、すずしい場所で「名作」など一冊いかがでしょうか。

今回は「名作」のように、頭に「名」のつく言葉について考えたいと思います。「名」という漢字は名前を表すだけでなく、「評判が高い」という意味もあります。名物、名所、名曲、名プレーヤーなど、いずれも優れて名高いという意味ですね。

物語のなかにも、古今東西、人々から愛されつづけてきた名作と呼ばれる作品があります。「ごんぎつね」「おおきなかぶ」など、長い間、小学校の国語の教科書に載っている作品も名作と呼べるかもしれません。

以前、授業で名作について議論になりました。「芥川龍之介の『羅生門』はみんな読んでいるから名作だ」「いや、名作だからみんな読むのだ」。この二人の会話に、みなさんはどんな疑問がうかぶでしょうか。

よく考えると、名作とは実に不思議なものです。ある作品があったとして、どれくらい多くの人が、何年くらい高い評価をつけると名作になるのでしょうか。人数でも時間でもないなら、だれがどのような基準で名作と決めるのでしょうか。

みなさんも名作だとすすめられて読むことがあると思います。名作なのにおもしろくなかったということもあるでしょう。

でも、そもそも名作とは何か。地球上に生まれた数多くの作品のなかで、時代をこえて生き残ってきた作品は他と何がちがうのか。こうした視点で読んでほしいと思います。

【朝日小学生新聞2018年8月3日 掲載】