磁石が落ちないのはなぜ

みなさんのおうちの台所では、冷蔵庫のドアや側面に磁石をくっつけていませんか。チラシなどをとめておけるのでとても便利ですね。

さて、磁石はなぜ落ちないのでしょう。「ドアは鉄製だ。磁石は鉄と引き合う。だから落ちないのだ」

はたしてそうでしょうか。

磁力(磁石と鉄が引き合う力)は接触している面に垂直ですから、磁石は水平方向に引かれています。一方、磁石に働く重力は下向きです。水平方向の力だけでは、下向きの力を打ち消すことはできません。磁石は下へ動いていってしまうでしょう。磁力だけではとまっていられないのです。

うーん、何か大事なことを見落としているようです。

実験してみましょう。

円柱形の磁石を冷蔵庫の側面にAやBのようにくっつけると、落ちません。しかし、Cのようにくっつけると落ちてしまいます。引き合う磁力は同じはずなのに、なぜCでは落ちてしまうのか。

そうです。見落としているのは「摩擦力」です。摩擦力は物体と面との間に押しつけ合う力が働くことによって生まれます。

磁石は面と引き合うので、押しつけ合う力が働き、摩擦力が生まれます。だから磁石はすべらずにとまることができます(AやB)。ところがCの場合は、転がるので摩擦力が消されてしまい、とまることができないのです。

磁石が落ちないのは摩擦力のおかげだったのです。フシギー

【朝日小学生新聞2018年7月6日 掲載】