中学からは仮分数で

算数で学んできた「約束事」のうち、中学以降で学ぶ数学では通用しないものがいくつかあります。その一つが、分数の表し方です。

7÷3のように、割られる整数が割る整数より大きい割り算を考えましょう。この割り算の結果をというように表したとき、この分数を仮分数といいます。また、7÷3の商は2、余りは1ですから、 が成り立ちます。たし算の記号+を省いて、赤字のように表すこともあり、この分数を帯分数といいます。

算数では帯分数を仮分数より好み、答えを必ず帯分数で表すように教わることが多いです。一つには、仮分数より帯分数の方が、その分数のおおよその大きさが理解しやすいからです。もう一つは、分数どうしのたし算やひき算の計算では、整数の部分と分数の部分に分けることで計算が楽になるからです。

しかし、数学では帯分数を使わないよう教わります。なぜでしょうか。

小学6年で文字を使った式を習います。例えば、1本a円のペンをb本買ったときの合計の代金はa×b円となります。数学では×の記号を省いてabと表します。省いても誤解を招かないからです。

「×の記号を省く」意識が強く働くと、帯分数を見て、+でなく×を省いているのでは、と誤解を招くおそれがあります。これが、中学以降で帯分数をさける大きな理由です。

【朝日小学生新聞2018年6月8日 掲載】